荒廃地における森林回復

石炭採掘跡地における植林作業

石炭採掘跡地に早成樹を植林し早期の森林回復

事業概要

発展途上国、特にインドネシアでは、近年、石炭を中心とした鉱物の採掘が急速に進み、また増大する人口圧による非持続的な農地開発等の結果、荒廃地が増加している。

この課題に対処するために、国際緑化推進センターでは、林野庁の補助事業として、石炭採掘跡地及び半乾燥・石灰岩地帯における開発地の森林回復に関する調査事業を平成23~26年度の4年間実施した。

本事業では、インドネシア国南カリマンタン州の石炭露天掘り跡地及び東ヌサテンガラ州の半乾燥・石灰岩地帯という森林回復が困難な場所において、実際に試験林を造成することを通して、森林回復手法の問題点を検証し、その対処方法を技術指針にまとめることを目的とした。

実証試験の結果、石炭露天掘り跡地においては、強酸性土壌、土壌流亡、土壌の物理性不良及び貧栄養等の問題が確認された。その対処方法として、土壌の潜在酸性度を把握し、酸性度が高い場合は隔離等の適切な処理をすること、及び、マメ科の早成樹により早期の森林回復を図ることが重要であることを提言した。

また、半乾燥・石灰岩地帯においては、乾燥対策として、植栽樹種の選択、地拵え方法及び土壌物理性の改善並びに植林後の山火事対策が重要であることを提言した。

本調査を通して作成した、石炭露天掘り跡地及び半乾燥・石灰岩地帯における森林回復手法についての技術指針は、下記農林水産省のホームページから公開されている。

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