伐採木材製品(HWP)の気候変動対策への効果を定量的に評価し報告
(写真提供)株式会社竹中工務店:ホームページ 都市木造の実績集
JIFPROの取り組み
事業概要
気候変動対策として、木材製品中の「炭素貯蔵効果」、木材を燃料として使用し化石燃料を削減する「燃料代替(省エネルギー)効果」、及び建築物等の材料に木材を使用して“エンボディドカーボン“を削減する「材料(マテリアル)代替効果」の3つが注目されています。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)京都議定書の第一約束期間では、国の温室効果ガス(GHG)排出削減目標を達成するために、森林のCO2吸収量を土地利用・土地利用変化及び林業(LULUCF)分野の貢献量として計上することが認められました。その一方で、森林から産出される木材については、伐採・搬出された時点で、木材中に含まれる炭素は大気中に即時排出されるとみなされ、目標達成に計上することは出来ないルールでした。
それが、第二約束期間では、森林から伐採・搬出された木材を木材製品として使用している期間中は、伐採木材製品(HWP)という炭素プール中の炭素蓄積変化量(CO2排出・吸収量)を目標達成に計上することが出来るルールになりました(Decision 2/CMP.7)。
すなわち、HWP中の炭素が増加すればCO2吸収、減少すればCO2排出として定量的に評価され、目標達成に貢献できることになりました。
国際緑化推進センターは、林野庁委託事業「森林吸収源インベントリ情報整備事業(伐採木材製品(HWP)に係る炭素蓄積変化量の算定等)」を受託し、我が国のHWP(建築物、その他木材利用及び紙製品)中の炭素蓄積変化量(CO2排出・吸収量)を政府統計等を用いて算定しています。その算定値は、我が国のGHGインベントリ報告書の中で毎年UNFCCCに報告されています。
また、2021年以降のUNFCCCパリ協定の下でも、「国が決定する貢献(NDC)」目標を達成するために、HWPの炭素蓄積変化量(CO2排出・吸収量)がLULUCF分野の貢献量として計上されています。
関連リンク
GHGインベントリオフィス日本国温室効果ガスインベントリ報告書<林野庁森林資源・森林吸収量算定基礎調査事業のうち森林吸収源インベントリ情報整備事業>
伐採木材製品(HWP)に係る炭素蓄積変化量の算定等令和4年度報告書