伐採木材製品(HWP)の気候変動対策への効果を定量的に評価し報告
JIFPROの取り組み
- 我が国の1年当たりのHWP中の炭素蓄積変化量を計算
- HWPの炭素蓄積変化量やその計算方法を国連提出用の報告書に示す
- 2020年以降の新枠組であるパリ協定下において算定計上ルールが変わった場合の対応準備
プロジェクト概要
京都議定書第一約束期間では、伐採木材製品(HWP)は伐採され製品になった時点で、その中に含まれる炭素は大気中に即時排出になったとみなされ、実際にはHWP中に炭素が含まれているのにも拘わらずそのプール内の炭素は考慮されていませんでした。
第二約束期間では、HWPを炭素プールとしてとらえ、その中の炭素蓄積変化量を算定計上することが決定されました(Decision 2/CMP.7)。
HWPの期待される効果としては「炭素貯蔵」、「省エネルギー(材料代替効果)」、「化石燃料代替」の3つがあげられ、各国でも重要な森林吸収源対策として注目されています。HWPが計上に含まれることによって、第1の効果である炭素貯蔵が定量化され、伐採後のHWPをどのように扱うかで森林全体の吸収・排出量に影響が出てくることになります。
林野庁委託事業「森林吸収源インベントリ情報整備事業(次期枠組における森林吸収量の算定・計上方法に係る調査・分析))」では、我が国のHWP中の炭素蓄積変化量を様々な省庁の既存統計を基に計算して、国連提出用の報告書(GHGインベントリ報告書)で報告しています。
また、2020年以降のパリ協定でHWPの算定計上ルールが変わることを備えて、統計の整備状況や他国の算定方法等を整理・分析し対応準備を図っています。
関連リンク
GHGインベントリオフィス日本国温室効果ガスインベントリ報告書林野庁森林資源・森林吸収量算定基礎調査事業のうち森林吸収源インベントリ情報整備事業
伐採木材製品(HWP)に係る炭素蓄積変化量の算定等令和4年度報告書