ナレッジ名称:QRコード :サプライチェーンのトレーサビリティを向上

ナレッジ概要

QRコードは、Quick Responseの略で、株式会社デンソーウェーブが開発した技術である。QRコードをスマートフォンなどのデバイスで読み取ることで、即座に情報源にアクセすることができる便利な技術である。

特徴としては、①大容量の情報を小さなコードに表現できる、②小さなスペースに表示が可能、③360°どの方向からでも、読み取りが可能、④汚れ・破損に強いことがあげられる。

QRコードは日常生活の中でさまざまな場面で試用され、利用者にもなじみのある方法になってきた。これを利用すると、生産者や生産地情報、加工過程、成分など商品の流通製造過程を消費者に届けることができるので、トレーサビリティの現場でも導入が進んでいる。

背景(歴史・発展)

QRコード(2次元バーコード)は、1994年にデンソーウェーブが開発した日本発のナレッジであり、同社が特許をフリーにしたことで、世界中で使用されるようになった技術である。JISやISOなどに制定されているQRコードの規格に従うだけで、使用に関する申請やライセンス契約などは必要がなく、無料で使用することができる。

QRコードの生成については、デンソーウェーブが無料でQRコードが生成できるサービス(クルクルマネージャー:https://m.qrqrq.com/)を公開している。その他、多数の無料のQRコード生成サービスも存在している。

具体的技術(製法、作業方法、実施方法等の具体的なナレッジの方法)

QRコードを生成するサービスは多数存在しているが、ここではデンソーウェーブが提供するクルクルManager(https://m.qrqrq.com/ )のサービスを利用した場合の手順を説明する。

  1. QRコード化させたいURLやテキストを入力欄に記入し、「作成」ボタンを押すとQRコードが作成される。
  2. そのQRコードをPNGやJPEGなどのフォームでダウンロードする。
  3. 印刷物の上にQRコードを記載したり、モバイル上で表示したりする。
  4. そのQRコードをQRコードリーダーやスマートフォンで読み取ることにより、QRコード化された情報を読み取ることができる。

西アフリカ地域は世界の2/3を生産しており、コートジボアール39%で世界1位、ガーナが15%で世界2位となっている。これらの国の森林保護区における森林減少の37%(コートジボアール)、13%(ガーナ)以上がカカオ栽培と関係していることが指摘されている (Nature food)。 本件実証事業では、カカオの生産者および生産地の情報をトレーサブルシステム上に登録している。トレーサブルシステムとは、カカオ豆の調達に際し、仲買人が生産者や買付数量、畑の位置情報などの情報をシステムにインプットし、商社やチョコレート会社がそのカカオ豆がどこから来たのか追跡できる仕組みである。それらの情報をデータベース化し、データベースのURLをQRコード化し、各カカオの麻袋毎にQRコードを付すことで、どの生産者・生産地からきたカカオ豆なのかすぐにわかる仕組みになっている。

また、生産者・生産地情報を発信するためのウェブサイトを構築し、そのURLをQRコード化することで、末端の消費者も生産者・生産地の情報に簡単にアクセスできるように活用できる。QRコードは、チョコレートのパッケージやフライヤーに印刷するほか、関連のウェブサイトなどにも掲載する。

ガーナからのトレーサビリティが確保されたチョコレート第一弾 (立花商店)


ショコラナビ:https://suit-chocolate.com/jan-015/ のQRコード

ナレッジ活用事例

QRコードは多くの場面で活用されている。例えば、モバイル会員証や入場券などの他、SNSのアカウントの交換、医療現場での処方箋の管理、キャッシュレスの支払い、レストランでのオンラインメニューへの誘導、工場内での工程表・在庫管理などに活用されている。スマートフォンは途上国にも普及しており、生産国でも確認可能である。

日本における位置づけ・特徴

QRコードは、日本だけでなく世界各国で、一般生活からビジネスの世界まで幅広く使用され、すでに日常では欠かせない技術となっている。飲食店やレジャー施設、交通や決済など多くの場所で使われている。また、QRコードの生成自体も無料で簡単であるため、一般の人でも簡単にQRコードを生成して活用することができる。最近では、コーヒーや洋服などでも、その原料の生産者・生産地情報をトレースできるようにQRタグをつけている商品も増えてきており、トレーサビリティの分野でも活用が進んでいる。

なお、国際的には類似の2次元バーコードとしてGS1 DataMatrixという形式も使われている。バーコード類はGS1という国際団体が規格を標準化し管理しており、日本はGS1 Japanとして団体に加盟している。QRコードは国際標準のひとつとして登録されている。

ナレッジの所有者・継承者および連絡先

株式会社デンソーウェーブ
TEL : 0120-585-271

関連URL

引用・参考文献

その他

使用にあたっては登録商標文の記載が望まれている。

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