アフリカン・ブラックウッドのビジネスモデルの概要
クラリネット等の木管楽器の材料として使われるアフリカン・ブラックウッドを、タンザニアのFSC認証林で生産し、効率的な製材・流通過程を経て日本に輸入するビジネス
- 現状
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アフリカン・ブラックウッドは現在主に木管楽器の材料として国際的に取引されているが、伐採可能なサイズ(直径24cm以上)に成長するまでに70~100年かかるといわれるほど成長が遅いにも関わらず天然林の伐採に頼っており、資源量は減少傾向にあると言われている。
- 課題
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資源の減少に拍車をかけている一つの要因として、楽器材の製材歩留まりが著しく低いことがある。これは、楽器材に加工した際に、材の特質上、辺材が混入したり割れを生じたりすることが多いからである。そのため、需要を満たすために、最終商品の100倍程度の材積が伐採されていると推測されている。
- 解決案
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タンザニアNGOのMCDIが、南部のリンディ州においてFSC認証を取得したコミュニティフォレストリーを実施し、アフリカン・ブラックウッドの生産を行っている。そこで、
- MCDIの森林において、アフリカン・ブラックウッドの植林や枝打ち等の積極的な資源涵養に取り組む
- 山元近くに製材加工が可能な設備を導入する
- 林地残材や製材端材の有効活用方法を検討する
- 輸送コストの削減を行う
- 波及効果
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MCDIの森林で生産されたFSC材による収入は95%程度が村のインフラ整備等に活用されており、資源の持続性と安定的な販売収入が確保されれば、一層の地域発展が期待できる。これは地域住民にとっては森林管理のインセンティブとなる。また、植林や製材等の追加的な雇用の創出も見込まれる。
楽器メーカー側が主導的にFSC認証材の調達に切り替えることで、他のアフリカン・ブラックウッド生産者にも、森林認証取得に向けた後押しとなり、タンザニア全体での持続的な森林管理にも貢献すると考えられる。
- 詳細
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ビジネスモデルの詳細については、下記リンクからご覧ください。