カラガナのビジネスモデルの概要

中国内モンゴルで実用化した、砂漠緑化樹種カラガナの萌芽特性を活かした家畜飼料生産事業を、飼料不足のモンゴルでおこなうビジネス

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現状

カラガナ(Caragana属、ムレスズメの仲閒)は耐乾性が高く、痩せた土地でも生育可能なことから、中央アジアの沙漠化が進行した地域の植生回復のための重要な植栽樹種となっている。

中国では近年、カラガナの人工飼料化(粉砕飼料・ペレット飼料)の実用化が進み、植林による植生回復の促進、人工飼料供給による牧畜の安定化、自然植生への放牧圧の軽減の並立が期待されている。一方、市場経済化で家畜頭数が急増したモンゴルでは各地で草原の放牧圧による沙漠化が進行、さらに飼料不足に陥るという悪循環を引き起こしており、人工飼料の国内生産・普及が急務となっている。

課題

モンゴルには天然のカラガナが広く生育するが、羊・ヤギが冬に集中的に採食することから、砂漠化防止機能をもつカラガナの減少が危ぶまれている。そのため、カラガナの植林が前提となるが、モンゴルにはカラガナの植林や人工飼料化の経験が殆どなく、飼料の輸入量が急増している。

解決案

植林対象地は、カラガナが多数自生するステップ地帯(年降水量150~250mm)あるいは砂漠ステップ地帯(年降水量100~150mm)でモンゴル政府や牧民の協力が得られる場所とし、輸入飼料よりも若干低い価格設定で設備投資や人件費等のコストを考慮すると、採算を得るには年間1,500t以上の原料木が必要と見積もられた。これらをもとに、一例として、カラガナ3年生収穫量3.5t/ha、萌芽更新期間を3年間として、総面積1,500ha(500ha/年)の植林を行うことで、7年目から投資を回収できる事業モデルを想定することができる。

波及効果

カラガナ飼料の栄養価値的な特徴として、粗繊維が高く、家畜の「腹持ちが良い」ことがある。カラガナは一般の牧草に比べ木質成分の割合が高いため、嗜好性が懸念されたが、中国寧夏の農林科学院の嗜好性試験では、直径1~3㎜の糸状に粉砕すれば、羊、ヤギと牛は難なく摂食でき、トウモロコシ茎葉サイレージと比べ採食量は13.1%増加、さらに牛はカラガナのペレット飼料を最も好むことが明らかになっている。カラガナ飼料は、モンゴルの一般的な飼料の「ふすま」より栄養価も高く、ペレット化することで競走馬の飼料にもなるため、馬主等競走馬業界の投資も期待できる。

詳細

ビジネスモデルの詳細については、下記リンクからダウンロードできます。