ヤシ殻(ココピート)のビジネスモデルの概要

園芸資材に使われるピートモスの代替材として今後需要が高まるであろうココピートを、フィリピンの生産組合PMMBPBと業務提携を結び、日本へ輸入するビジネス

現状

日本は現在ココピートを主にスリランカから輸入しているが、ココナツの生産量はフィリピンの方が圧倒的に多く、ココピートの原料であるヤシ殻の供給ポテンシャルは高い。

フィリピン ケソン州 パドレブルゴ町にて既にココファイバーを販売しているPMMBPBは、2014年頃からの農地に放置されているヤシ殻を粉砕しココファイバーと呼ばれる法面緑化に用いられる製品を製造している。ヤシ殻を粉砕した際に同時に大量に生まれるココピートはほぼ価値がないものとして廃棄物同然の扱いがなされている。

課題

PMMBPBの工場でできるココピートはEC値(電気伝導率:塩類濃度の指標)が高く、このままでは日本での園芸資材としての販売は品質面で不可能である。また、流通業者の中間マージンが高いことやココピートの圧縮技術が低いため輸送コストが高い。

解決案

日本向けのココピートの品質向上策としては、3年以上雨ざらしにすればEC値は下がることが分かっているのでそれの徹底が必要である。企業は、PMMBPBと業務提携を結びことで、ヤシガラ粉砕機(200万円程度)に投資し、その投資額が数年以内で回収できるよう利益の数%を投資者に支払う取り決めをする。この3年間でココピート輸出のために品質向上・管理等のためのキャパシティビルディングを行う。

波及効果

ココファイバーもココピートも生産の過程で大量の人手を必要とすることから、PMMBPBに加入している住民の雇用を創出するような仕組みを作ることで、組合員の生計向上がはかれる。また、既にPMMBPBは、環境省と連携しながら持続的な地域資源管理を目指してマングローブを保全することや漁業禁止区域の設置等を行っており、その管理方針に従っている者だけが組合員になれる仕組みである。PMMBPBの組合員にだけココファイバーやココピートの仕事を提供することで、組合員の数が増えていけば、最終的にはマングローブを含めた持続的な地域資源管理に貢献につながることが期待できる。

詳細

ビジネスモデルの詳細に関しては、下記リンクからご覧ください。