森林再生テクニカルノート(TPPs)は、途上国の劣化が進んだ森林や開発後に放棄され荒廃した土地等において、効果的な森林の再生に大きく貢献する技術集です。
UNEP(国連環境計画)によると、乾燥地は乾燥度指数により極乾燥地域、乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域の4つに大別される。それぞれの分布は下図の通りである。極乾燥地域は、ケッペンの気候区分である砂漠気候にほぼ一致し、乾燥地域と半乾燥地域の乾燥度指数は、一般的に草原や疎林が優占する。乾燥半湿潤地域になると林冠が閉鎖した森林もみられるようになる。
Zika and Erb(2009)によると極乾燥地域を除いた乾燥地の約23%の土地(11,803×105ha)が劣化しているという。土地劣化した乾燥地は、一般に生産性が低く農業や牧畜に不適なことが多く、加えて、潜在植生である乾燥林の自然にまかせた状態での再生も極めて難しい。このため、土地劣化した乾燥地は経済的、環境的な便益を生み出すことなく放置されていることが少なくない。