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超吸水性高分子材SAP(育苗時)

SAP(育苗時)の発想・着眼点

紙おむつなどに使われる超吸水性高分子材を土壌の保水材として利用し、乾燥地や半乾燥地における育苗時の水管理に役立てようとするものである。苗畑や育苗ポットの用土にSAPを添加し、水やりの手間の軽減や苗木の根系発達を促そうとするものである。

超吸水性高分子材(SAP)

SAPの性状等

超吸水性高分子の性状等は本データベースの技術名【超吸水性高分子材SAP(植栽時)】を参照のこと。育苗用も基本的性質は同じである。

SAPで育苗した苗木の特徴

SAPの添加量は土壌の乾燥重量に対して0.2%から1.0%の範囲で加えることが多い。適量は樹種によって異なる。砂質土壌のように保水力の小さな培土で効果が明瞭なことが多い。ココピートなど有機系の培土に添加することも可能であるが、報告例は少ない。

SAPを添加した場合、一般に根の成長が促進され、root/shoot(地下部/地上部)の比が大きな苗になる(図1)。SAPの保水効果により、灌水量を減らしても従来と同じように成長したという報告がある。また試験的に灌水を停止した場合、苗木が枯死するまでの生存期間が長くなる。この時、SAPを添加したポットの蒸発散量が少ないことから、苗木の水利用効率が高く、水を効率的に利用して成長していることが分かった(図2)。このことから、SAP添加により土壌の保水量が増加しただけでなく、苗木の生理的な特性にも影響していると判断された。ただし、その生理メカニズム等の詳細はよくわかっていない。

植林におけるSAP施用例

図2に示したように、いろいろな樹種でSAPの効果を比較すると、用いた用土や樹種によって効果の現れ方が異なり、SAPの効果がほとんど見られない場合もある。実際の本技術を利用するにあたっては、予備的な試験を行い、効果を確認してから規模を拡大する方がよい。

引用文献

1) Orikiriza,L.他 (2013) Effects of Hydrogels on Tree Seedling Performance in Temperate Soils before and after Water Stress. Journal of Environmental Protection, Vol. 4, 713-721.

2) Agaba, H.他 (2010). Effects of hydrogel amendment to different soils on plant available water and survival of trees under drought conditions. Clean–Soil, Air, Water, 38(4), 328-335.

参考文献