森林ビジネスと森林保全・地域住民をつなぐ
BFPROでは、森林資源を用いたビジネス ―森林ビジネス― を提案しています。
森林ビジネスは、森林の経済的な価値を高めることによって、持続的な森林利用や森林保全につなげることが期待されます。BFPROは、この森林ビジネスによって、さらに地域住民の生活に利益をもたらすことを目指しています。
森林減少・劣化と地域住民の生活
途上国の森林の周辺に住む地域住民の生活は、森林を基盤にしています。食料や薪炭材・売買用の林産物の採集といった経済活動ばかりでなく、水源涵養機能のような森林サービスや、信仰の対象といった文化的な側面にいたるまで、森林とのかかわりの中で生活が営まれています。
一方で、森林に暮らす地域住民の生活は安定したものでないことも多く、生活のために過剰な伐採や開発を行ってしまうという現実もあります。アフリカでは、調理などの燃料として薪や炭が使われており、その原料調達のために過剰な森林伐採が行われていることが問題となっています。また、多くの途上国では、森林が、農地や放牧地などその他の土地へと開発されています。
このような森林減少・劣化の要因のひとつには、森林がもつ経済的な価値の低さがあると考えられています。生活のため、より高い収益が見込まれる土地利用に転換されているのです。
森林保全と森林ビジネス
このような森林減少・劣化を抑制するため、森林ビジネスによって森林の経済的な価値を高め、地域住民による持続的な森林利用や森林保全を達成することが期待されています。
森林ビジネスでは、原料の安定供給のために、持続的な森林利用や森林保全が強く求められます。そして、地域住民は原料生産の担い手となります。ときには、原料の一次加工も行います。例えば、ネパールのヒマラヤイラクサ繊維の場合、地域住民は村から徒歩で5時間以上もかけて採集を行い、糸へと紡いでいました。地域住民の協力は森林ビジネスに不可欠です。
一般に、ビジネスの場面では、森林保全や地域住民の生活への配慮はCSR/CSV活動など付加価値的なものとしてみなされているのが現状です。しかし、森林ビジネスでは、森林保全を行うことがビジネスに直結しています。森林保全によって、原料の安定供給が実現し、さらに原料生産や一次加工の担い手である地域住民の収入源となり生活安定につながります。
森林保全に重きを置くことで、ビジネスの面でも有利になる。BFPROは、そんなきっかけを提供します。