タンザニア

アジア航測株式会社(2026年3月現在)

森林の概況

1.1.自然地理と土地利用区分の概要

(1)自然地理

(1)_1 地勢

タンザニア連合共和国(以下、タンザニア)は東アフリカに位置し、国土面積は総面積で約9,473万ha)、このうち陸地は約8,858万haである。

国土中央部には標高およそ1,200mの中央高原が広がり、首都ドドマ(標高約1,120–1,135m)もこの高原に位置する。一方、インド洋沿岸には低地の海岸平野が連なり、河口・デルタ・干潟・マングローブ等の湿地が広く分布する。内陸は高地・山岳地帯が多く、とくにキリマンジャロ山(5,895m)をはじめとする山地が北部・南部に見られる。国の北部や中央部には標高1,000m以上の地域が広がり、高原国としての地形的特色が明瞭である。(図1)。

図1 タンザニア国の地形
図1 タンザニア国の地形
出典:https://srv1.worldometers.info/img/maps/tanzania_physical_map.gif
(1)_2 気候帯

タンザニアの気候は、広大な国土と多様な地形・緯度帯の影響で大きく地域差がある。インド洋上にあるザンジバル諸島は主に熱帯モンスーン気候(Am)、キリマンジャロ地域は低地がサバナ気候(Aw)である一方、標高が上がるにつれて高地型温暖冬季少雨気候(Cwb)やツンドラ気候(ET)へと変化する。中央部の高原地帯は、主にステップ気候(BSh)〜サバナ気候(Aw)が分布し、比較的温和だが乾燥した内陸性の気候となる。

南部のマラウィ湖周辺は地域により Aw・冬乾燥型温暖冬季少雨気候(Cwa)・Cwb などが混在し、沿岸部はサバナ〜熱帯モンスーン(Aw・Am)の湿潤な気候が特徴である。

年間の季節変化として、雨季(3〜5月の長雨、10〜12月の短雨)と乾季(6〜9月)が明瞭である。キリマンジャロ山周辺等の高地では朝晩の気温が低くなり、中央部高原地帯を含む内陸部では乾燥のため昼夜の気温差が大きくなる傾向がある。

図2 ケッペン気候区分によるタンザニアの気候帯の概観
記号気候帯名称特徴
Am熱帯モンスーン気候12か月すべての平均気温が18℃以上であり、かつ平均年間降水量が25×(100-Pmin) mm以上である地域。ここで、Pminは最小雨月降水量を指す。 熱帯雨林が広がる地域が多く、高温多湿な環境に適応した多様な植物が生育している。特に、常緑広葉樹が優占することが一般的。
Awサバナ気候12か月すべての平均気温が18°C以上で、冬のいずれかの月の降水量が60 mm未満の地域。 草原が主に広がり、点在する木々が見られるのが特徴。乾季には草が枯れることがあり、雨季には再び草が生い茂る。
BShステップ気候 (亜熱帯草原気候)森林を維持するには乾燥しすぎているが、砂漠ほど乾燥していない気候で、通常は草原、平原からなる。 草原が主に広がり、特に乾燥に強い草本植物が生育する。樹木は少なく、点在することが一般的。
Cwa温暖冬季少雨気候 (冬乾燥型)最も寒い月の平均気温が-3℃以上18℃未満で、冬が乾燥している気候。夏は高温で湿潤なのが特徴で、通常は大陸の内陸部や東海岸に見られる。 主に広葉樹林や草原が広がる。特に温暖な地域では、常緑広葉樹が見られることが多い。
Cwb温暖冬季少雨気候 (高地型)最も寒い月の平均気温が-3℃以上18℃未満で、乾燥した冬と雨の多い夏の差が顕著な気候。通常は熱帯諸国の高地で見られる。 多様な植生が見られ、特に、広葉樹林や針葉樹林が広がり、森林の生態系が豊かである。
表1 各気候帯の名称とその特徴
出典:Köppen-Geiger Climate Classification – Category Descriptions (The GLOBE Program, web site)をもとに作成
(1)_3 気象

タンザニア全体および州ごとの月平均気温および月降水量(1991-2020)を図3に示す。中央部高原地帯のドドマ州では雨季は12月から4月にかけての1回で、乾季の乾燥が厳しくなること、インド洋沿岸に近いダルエスサラーム州やキリマンジャロ州では雨季は11月か12月にかけてと3月から5月にかけての2回あり、乾季にも多少の降雨が見込まれること、キリマンジャロ州やドドマ州は年間の気温の変動幅が大きく特に乾季に気温が大きく低下する(図3)。

図3 タンザニアと主要な州の月平均気温と月降水量グラフ
図3 タンザニアと主要な州の月平均気温と月降水量グラフ
出典:Climate Change Knowledge Portal (World Bank, web site)

(2) 産業

2025年時点において、タンザニアの労働力人口は約3,405万人であり、全人口7,054万人の約48%にあたる。業種別の就業人口については、農林水産業が最も多く、約65%の労働者がこの分野に従事している(Ministry of Finance, 2025)。次いで、サービス業が約27%、工業が約8%となっている。2023年時点で、農用地の面積(永年作物地、永年採草・放牧地を含む)は約3,950万haで、国土面積の約44.6%を占めており(World Bank, web site)、GDPに対し農林水産業は約23.7%の割合を占めている(World Bank, web site)。

(3) 行政上の土地分類

国土政策に係る基本原則は、1999年に制定された土地法および村落土地法によると、タンザニアのすべての土地は公有地であり、大統領が市民のために受託して管理するとされている。

また、土地管理の目的のために、土地は以下のように、一般地、村落地、保留地に区分される。

  • 一般地(General Land):権利書に基づくすべての土地であり、土地委員の管轄下にある。
  • 村落地(Village land):国内に登録されている10,832の村落の管轄下にあり、国土の約70%を占める。
  • 保留地(Reserved land):国立公園、森林保護区、野生生物保護区が含まれ、国土の28%を占める。

投資家は一般地または村落地から土地を取得することが可能である。また、土地の利用権は、市民の場合は占有権(Right of Occupancy)にもとづき土地を占有することで得られる。非市民の投資家の場合は、タンザニア投資・特別経済区庁(Tanzania Investment and Special Economic Zones Authority)によって付与される派生権(Derivative Right)、政府から付与された占有権または占有権を通じたサブリースによって、土地を占有することで得られる。占有権および派生権は最長99年間付与でき、更新が可能である。

1.2. 森林の定義

タンザニアでは森林を以下のとおり定義している(表3)。

用語定義
森林面積が0.5ha以上であり、樹冠被覆率が10%以上、または自然林・植栽林を問わず将来的に10%を超える樹冠被覆率に達する潜在性を有する樹種が存在する土地を指す。さらに、当該土地で現地条件下において成熟した個体が樹高3 m以上に達している、または潜在的に3m以上に成長する樹木が生育していること
表 2 森林の定義
出典:Global Forest Resources Assessment 2025 – United Republic of Tanzania (FAO, 2025, page no.5)

1.3. 森林の区分と土地利用の変遷

(1) 森林の区分

タンザニアの森林は、一般的に山地林、低地林、マングローブ林、密生林、疎生林、低木林、植林地の7つの主要タイプに分類されている。しかし、これらはあくまで代表的な区分であり、実際にはこの分類に含まれない面積の小さな森林タイプも存在する。また、各タイプの具体的な説明は示されていない。この区分は同国の政府機関で一般的に用いられ、統計データ等が整理されている。

タンザニアの森林は2025年時点で約4,340万haであり、国土面積(島しょ部を除く)の49%を占める。2015年時点でそれぞれのタイプの森林全体に占める割合は、疎生林が74.8%、密生林が18.2%、低地林が3.4%、山地林が2.1%、植林地が1.2%、マングローブ林が0.3%である (天然資源観光省, 2015)。

また、森林は利用目的によって保護林と生産林に区分されており、保護林は2,809万ha(全森林の58.4%)を占め、主に脆弱な景観地域、集水域、生物多様性ホットスポットに位置する。一方、生産林は天然林または植林地であり、国内の多様な需要と輸出向けに木材を供給する。生産林は2,000万haで、森林全体の41.6%を占める (天然資源観光省, 2015)。

既存の森林所有権の区分は、中央政府(1,661万ha/34.5%)、地方政府(310万ha/6.5%)、村落有林(共有林等)(2,197万ha/45.7%)、 私有地(占有権、借地権取得)(351万ha/7.3%)、一般用地(未指定森林地)(273万ha/5.7%)、不明(9万ha/0.2%)で構成されている (天然資源観光省, 2015)。

立木蓄積量は3億3,270万m3と推定される。持続可能な森林資源の観点から、年間の伐採許容量は最大で4,280万m3とされている。しかし、現在の年間木材供給総量は8,370万m3と推定されており、伐採許容量を上回っている (天然資源観光省, 2015)。

(2) 土地利用の変遷

図4に、FAOがLandsat 8 モザイクデータを使用して試行的に作成した2015年と2020年の土地被覆図を示す。

土地被覆区分の中で、最も大きな面積を占めるのは疎生林(Woodland Open)であり、2015年は総土地面積の27%、2020年は22%を占めた。また、この5年間で最も顕著な面積減少を示したのも疎生林であり、開放低木林(Bushland Open)がそれに続いた。一方で、穀物作物栽培地(Cultivated land: Grain crops)が増大しており、穀物生産の拡大により周辺の疎生林地や開放低木林が農地に転換されたことを意味している。

図4 土地利用と植生の変化
図4 土地利用と植生の変化
出典:National Forest Resources Monitoring and Assessment of Tanzania Mainland (NAFORMA) – Sampling Design Options for 2nd Biophysical Inventory (FAO, 2022, page no.25,26)をもとに作成
植生タイプ20152020増減
面積(ha)(%)面積(ha)(%)(ha)
Humid Montane and Lowland Forest山地林・低地林1,741,4261.831,669,6911.75-71,735
Mangrove Forestマングローブ林352,5740.37337,0360.35-15,538
Plantation Forest植林地466,4710.49762,7640.80296,293
Woodland: Closed (>40%)密生林(>40%)9,288,2039.7611,902,11912.492,613,916
Woodland: Open (10-40%)疎生林(10-40%)25,280,96626.5621,265,26822.32-4,015,698
Woodland: Scattered cropland (Unspecified density)耕作地散在林地(密度不特定)4,648,5574.883,042,7073.19-1,605,850
Bushland: Thicket灌木林689,5820.721,857,7811.951,168,199
Bushland: Dense密生低木林2,952,6943.103,180,8213.34228,127
Bushland: Scattered cultivation耕作地散在低木林2,704,4852.843,042,7453.19338,260
Bushland: Emergent trees高木を伴う低木林2,406,5012.531,449,2531.52-957,248
Bushland: Thicket with Emergent trees高木を伴う灌木林928,0490.971,637,8241.72709,775
Bushland: Open開放低木林7,006,4517.363,869,6614.06-3,136,790
Grassland: Wooded樹木混生草原2,761,9092.90838,6620.88-1,923,247
Grassland: Bushed低木混生草原457,5770.48270,0720.28-187,505
Grassland: Scattered cropland耕作地散在草原412,1130.43299,6410.31-112,472
Grassland: Open開放草原4,275,2454.494,978,4605.22703,215
Cultivated land: Agro-forestry system耕作地:アグロフォレストリー1,728,6291.821,884,1511.98155,522
Cultivated land: Wooded crops樹木性作物栽培地3,924,1064.123,736,0393.92-188,067
Cultivated land: Herbaceous crops草本性作物栽培地4,618,3924.853,872,3784.06-746,014
Cultivated land: Grain crops穀物作物栽培地9,396,8289.8717,074,78517.927,677,957
Cultivated land: Mixed tree cropping混合樹木栽培地1,490,3351.57832,7560.87-657,579
Open land: Bare soil裸地457,7260.48144,9450.15-312,781
Open land: Coastal bare land沿岸裸地5,6410.011,8210.00-3,820
Open land: Rock outcrops岩盤露出地2960.001,9810.001,685
Water: Inland water内陸水域5,942,3186.246,374,4036.69432,085
Water: Wetlands湿地904,9040.95530,0660.56-374,838
Other areasその他の地域357,7590.38437,7300.4679,971
Total合計95,199,739100.0095,295,561100.00 
表3 土地利用と植生の変化
出典: National Forest Resources Monitoring and Assessment of Tanzania Mainland – Sampling Design Options for 2nd Biophysical Inventory (NAFORMA II) (FAO, 2022, page no.27)

1.4. 森林資源の減少と劣化の要因

2025年に出版されたFAOのGlobal Forest Resources Assessment 2025タンザニア版によると、2025年におけるタンザニアの森林面積は4,340万haであり、国土総面積の約46%を占め、このうち天然林は4,285万ha、人工林は55万haである。森林面積は1990年から2025年にかけて平均42万ha/年(森林面積の約0.72%に相当)減少した。

なお、人工林面積については、2015年の数値が他の年度にも準用されている。そのため、近年の植林活動の活発化を考えると、55万haという数値は現在の状況とは乖離している可能性がある点に注意が必要である。

図5 森林面積の推移
図5 森林面積の推移
出典: Global Forest Resources Assessment 2025 – United Republic of Tanzania(FAO, 2025, page no.7)の情報をもとに作成

森林減少・劣化の主な要因は人口増加に伴う薪炭材エネルギー需要の拡大と農業用地の拡張であり、その他の要因としては、居住地の森林地域への拡張、森林火災、林業従事者の不足、林業部門への予算配分の低さ、森林資源への経済的依存度が地域社会において極めて高いこと、調理や暖房用の代替エネルギー源の不足や普及率の低さなどがあげられている。

1.5. 森林・林業に係る法制度

(1) 森林法(2002年制定)The Forest Act (No. 14 of 2002)

森林資源の管理、保護、持続可能な利用を促進するために制定された。具体的には、森林保護区の設立、森林の管理、伐採の許可、違法伐採の防止、地域住民による森林利用の権利などが規定されている。

(2) 国家環境管理法(2004年制定)The National Environment Management Act (No. 20 of 2004)

環境管理に関する包括的な法律であり、環境影響評価を義務付ける。この法律は、森林を含むすべての自然資源に対する環境保護の原則を定めており、森林開発プロジェクトにおける環境への影響を評価・管理することを求める。

(3) 野生生物保護法(2009年制定)The Wildlife Conservation Act (No. 5 of 2009)

野生動物の保護と管理に関する法律であるが、森林生態系の保護にも関連している。森林管理においては、野生生物の生息地を守ることが重要とされる。

(4) 土地法(1999年制定、2018年改訂)The Land Act (No. 4 of 1999, No. 17 of 2018)

土地利用に関する法律であり、森林地帯の土地利用権や権限も規定している。この法律により土地の所有権や利用に関するルールが明確化されており、森林の開発や保護に強く影響する規定がある。具体的には、「森林は Reserved Land(保留地)に分類され通常の開発は不可であること」、「森林を含む村落有地では村政府が土地を管理し保護区の設定も可能であること」、「森林地区の転用・開発には政府承認や環境影響評価が必要であること」、「無許可の開発や伐採は Forest Act により厳禁されていること」、「土地収用法により公共目的なら森林でも収用可能であること」、「森林境界の紛争は土地紛争裁判体系で処理すること」等が規定されている。

(5) 村落土地法(1999年制定、2010年改訂)The Village Land Act (No. 5 of 1999, No. 2 of 2010)

村落地の管理と土地権利を規定する法律であり、村落評議会が森林を含む村の土地資源を管理する権限を明確に付与している。共有林などの村落共同資源を扱う枠組みを設け、森林利用や植林に関する村規則の制定、土地利用計画、外部者の利用許可、さらたには植林を含む慣習的土地占有権の付与などについて規定することにより、村レベルでの森林管理と保全を制度的に担保している。

1.6. 森林保護の取り組み

(1) 保護地域

タンザニアには840の保護地域があり、陸地では約3,616万ha、海域では約73万haをカバーしている(国際自然保護連合, 2020)。

保護地域は多様なカテゴリーを含む包括的な概念であり、以下の区分を含んでいる:

  • 国立公園(National Parks)
  • 森林保護区(Forest Reserves)
  • 海洋公園(Marine Parks)
  • 野生動物保護区(Game Reserves)
  • 自然保護区(Nature Forest Reserves)
  • その他の保全地域
図6 保護地域の設定状況
図6 保護地域の設定状況
出典: State of protected and conserved areas in Eastern and Southern Africa (国際自然保護連合, 2020, page no.131-133)

(2) 森林保護区

保護地域の内、約1,450万ha(465か所)が森林保護区に設定され、タンザニア森林局によって管理されている。

42か所の森林保護区で構成される25地域の自然保護区は、主に山地林で覆われ、下流地域における水源林として水源の涵養や洪水リスクの軽減に寄与している。森林復旧を目的として、 24の植林事業が63か所の森林保護区(計約11万ha)で実施されている。さらに、コミュニティによる森林資源への依存を最小限に抑える代替生計を提供する森林保護区として、18カ所の養蜂保護区(計約4万ha)が設定されている。また、種子の供給源としての母樹林の機能を持った森林保護区が71か所(計690ha)設定されている。

図7 森林保護区の設定状況
図7 森林保護区の設定状況
出典:Map showing National forest reserve (タンザニア森林管理局, web site)

1.7. 森林・林業に携わる管轄組織

(1) 天然資源観光省(Ministry of Natural Resources and Tourism, MNRT)

タンザニアの自然、文化、観光資源の管理を担当する中央政府機関であり、22の国立公園、ンゴロンゴロ保全地域、27の野生動物保護区、27の野生動物管理区域で構成された野生動物保護地域ネットワークも管轄している。野生動物保護地域ネットワークは、タンザニア全土の土地面積の32.5%にあたる3,078万haをカバーしている。

本省はタンザニア森林局の上部組織として機能しており、森林・林業に関する政策や法規やガイドライン等の文書、統計資料等は本省のWebサイトにて公開されている。

(2) タンザニア森林管理局(Tanzania Forest Services Agency, TFS)

タンザニアの森林と国有養蜂保護区の持続可能な管理と保護を担当する機関として、2010年にそれまでの天然資源観光省の林業・養蜂部門が発展的に改組され設立された。全国の森林保護区の管理を任されており、コミュニティやNGOと協力して保全戦略を策定・実施している。また、持続可能な経済活動として養蜂を推進するとともに、森林の重要性と気候変動への影響における意識啓発に取り組んでいる。

(3) タンザニア林業研究所 (Tanzania Forestry Research Institute, TAFORI)

以下6つの活動を実施している。

  1. 森林資源、植林技術、生態系の保護、生物多様性などに関する基礎研究および応用研究
  2. 持続可能な森林管理や植林のための新しい技術や方法の開発
  3. 森林管理や植林に関連する政策の策定に対する科学的データや情報の提供
  4. 森林管理者や地域住民、学生に対する教育プログラムや訓練
  5. 森林の状況や健全度のモニタリング
  6. 地域住民やコミュニティと協力しての地域のニーズに基づいた植林プロジェクトや森林保護活動

植生や目的の違いに応じて7つのセンター(①Dodoma Arid Zone Center、②Kibaha Lowland Center、③Lushoto Silviculture Center、④Malya Lake Zone Center、⑤Moshi Timber Utilization Center、⑥Mufindi pulpwood Center、⑦Tabora Miombo Woodland Center)が設置されている。

(4) タンザニア環境局(Environment Division of Vice President’s Office)

森林関連分野においては、森林資源の利用・開発・保全が環境に及ぼす影響を国レベルで監督し、森林保護や植林プロジェクトに関する環境政策の策定や環境基準の設定を指揮している。また、森林減少・劣化や気候変動への対応を含む国家戦略(National Environmental Policy Implementation Strategy 等)の策定において森林分野を重要課題として扱い、森林由来の負の環境影響の低減、森林保全の推進、持続可能な森林利用に向けた政策支援を行っている。これには、地方自治体の環境管理担当者やセクター環境部局との連携強化、環境計画における森林保全の優先化などが含まれる。

(5) 国家環境管理評議会 (National Environment Management Council, NEMC)

森林に特化した分野では、森林開発プロジェクトや植林活動に関する環境影響評価の実施、森林保護や植林に関連する規制の実施、違法伐採や森林破壊に対する取り締まり、森林と植林に関するデータ収集・分析、地域社会や関係者に対する森林の重要性や持続可能な管理についての教育と啓発活動、コミュニティや他の関連機関と協力した森林管理に関する共同の取り組みを推進している。

(6) タンザニア林業技術者協会(Tanzania Association of Foresters, TAF)

タンザニアの森林の持続可能な管理と保護を促進することを目的として1989年に設立された専門職団体。林業・環境関係の事業者、研究者、行政機関の職員などが会員となり構成されている。官民の枠を超えて各分野の会員同士が協力し、知識を共有し、森林資源の保護と持続可能な利用を提唱するプラットフォームとして機能している。

具体的な活動には、①林業専門家のスキルの向上を目的とした研修やワークショップの開催、②森林科学・林業技術の研究促進および技術開発への貢献、③持続可能な森林管理を促進するための政策提言、④持続可能な森林管理へのコミュニティの参加促進・支援、⑤森林の重要性に対する一般市民の意識向上等が含まれている。

(7) タンザニア森林基金(Tanzania Forest Fund, TaFF)

タンザニアにおける森林の保護、保全、管理および開発を支援する持続可能な資金メカニズムとして、天然資源観光省の下で設立された公共保全信託基金。森林法第323章の第79条から第83条に基づき設立され、2010年7月に運用を開始した。森林資源の保護と持続可能な利用の重要性を広めるために公共教育や研修を行い地域林業の発展を支援するとともに、助成金を提供しての森林に関する研究の促進、国が国際的な資金を活用するための支援も行っている。さらに、森林に関する討論や環境影響評価への個人およびグループ(地域団体等)の参加を支援し、森林法の遵守を確保するための活動を推進している。

2. 森林関連基礎情報

2.1. 森林政策

タンザニアでこれまでに実施されてきた森林政策について、以下に時系列で列挙する。過去に様々な政策がとられてきたが、森林回復・植林に対する具体的な目標値は、2010年以降から実施されている森林・土地回復国際イニシアティブにおいて初めて掲げられ、その目標値が現時点でも生かされている。

(1) 国家森林政策(National Forest Policy)1953年(1963年改訂):

タンザニアで最初に制定された森林政策で、森林資源を国家需要に応じて利用・管理する基礎を確立した。初期段階では森林を経済資源として捉える傾向が強く、主に燃料材・木材供給や基礎的な森林管理体制の整備に重点が置かれた。1963年改訂では持続的管理の必要性が強化されたが、現代的な環境・保全概念は限定的である。

(2) タンザニア森林アクションプラン(Tanzania Forestry Action Plan (TFAP))1988–1989年/改訂1992–1994年:

TFAPは森林セクターの包括的改革を目的に策定され、森林減少の要因分析、制度改革、造林推進などを提示した国家計画。1992–94年の改訂では社会経済構造の変化やリオ会議の潮流を反映し、生態系保全・持続的森林管理の視点が強化された。ただし、具体的な数値目標よりも政策方向性の提示が中心だった。

(3) 国家森林政策(National Forest Policy)1998年:

1998年の国家森林政策は、生物多様性保全、水源涵養、土壌保全を重視し、近代的な持続可能な森林管理への転換点となった。多目的造林の促進、自然保護林の新設、参加型森林管理、共同管理などが明確に位置づけられた。森林産業の発展と環境保全を両立させる政策基盤として、現在の森林行政の中心的役割を担っている。

(4) 森林法(Forest Act)2002年(Act No.14):

1998年の国家森林政策の実施を法的に担保する枠組みとして制定された。森林の所有区分を明確化するとともに、森林保護区の指定、利用許可制度、植林促進、森林犯罪の規制を体系的に整備している。さらに、参加型森林管理と共同管理に法的根拠を与え、コミュニティの森林管理参加を制度面で強化した重要な法律である。

(5) 参加型森林管理(Participatory Forest Management (PFM))(2000年代以降):

PFMは森林管理への住民参加を促進する制度で、コミュニティによる森林管理や共同管理を通じて森林保全と地域経済の両立を目指す。地域住民が森林利用権を得ることで保全意識の向上が期待され、東アーク山地や沿岸林などで森林減少抑制に一定の成果が報告されている。全国的な普及を経てタンザニア森林政策の中心的手法となった。

(6) REDD+(森林減少・劣化に伴う排出削減)2009年~現在:

REDD+は森林減少・劣化を抑制及び炭素貯蔵の維持・向上を目的とする国際枠組みである。タンザニアでは2010年代初めにパイロット事業が開始され、森林モニタリングの強化、コミュニティ主体の保全活動、炭素プロジェクトの実証等が行われた。これらの取り組みは、国家レベルの戦略と制度構築にもつながり、近年の森林保全政策の中核的な柱となっている。

(7) 森林・土地回復国際イニシアティブ(AFR100 (African Forest Landscape Restoration Initiative)/Bonn Challenge)2010年:

タンザニアが国際的に公約した森林・土地回復の数値目標である。2030年までに520万haを回復すると明示し、全国的な植林・自然再生・流域回復プログラムの根幹となっている。地区別プロジェクト(例:モンドゥリ–カラトゥ地域)も展開され、最も明確な実行目標を持つ政策枠組みである。

(8) 国家森林政策実施戦略(National Forest Policy Implementation Strategy)2018–2028年:

森林資源の持続管理を実行レベルで推進する10年戦略である。参加型森林管理の深化、森林モニタリング(National Forest Resources Monitoring and Assessment of Tanzania Mainland, NAFORMA)の整備、森林産業の近代化、REDD+との連動が強化された。政策の実施体制を整えることに重点を置き、森林保全と経済発展を両立する仕組みの確立を目指す戦略となっている。

(9) 国家森林政策実施戦略(National Forest Policy Implementation Strategy)2021–2031年:

2018–2028版のアップデート版で、気候変動対策をより前面に掲げ、森林炭素管理や土地回復の取り組みを体系化する。森林生態系の保護、持続可能な森林産業、地域社会の参加強化など、より実践的な施策を提示し、長期的な森林回復を国家戦略に位置づけている。

(10) 国家アグロフォレストリー戦略(National Agroforestry Strategy)2024年:

農地と樹木を組み合わせるアグロフォレストリーの推進により、土地劣化を回復と農民の生計向上、森林再生の両立を目指す取組である。AFR100とも整合し、地域主体の植林や自然再生を推進する枠組みとして位置付けられている。

2.2. 植林実績

2016年から2024年までの9年間における樹木苗木生産本数と植林面積を表4に示す(天然資源観光省, 2025)。平均して年間8,200ha程度を植林していることが伺われる。

表4 植林面積および苗木生産本数の推移
表4 植林面積および苗木生産本数の推移
出典:2024 Maliasili Statistical Bulletin (天然資源観光省, 2025, page no.75)

2.3. 主な植栽樹種

木材生産用樹種としては、成長の早い外来樹種であるユーカリ類(Eucalyptus spp.)、マツ類(Pinus spp.)、イトスギ類(Cupressus spp.)が好んで植えられる傾向にある。

主な造林樹種としては、針葉樹ではマツ類(Pinus caribaeaPinus elliottiiPinus patulaPinus spp.)をはじめ、Cupressus lusitánicaJuniperus proceraが、広葉樹ではアカシア類(Acacia mearnsiiAcacia melanonoxylon)やユーカリ類(Eucalyptus saglinaEucalyptus maideniiEucalyptus spp.)、チーク(Tectona grandis)、Casuarina sp.、Cedrela odorataChrolophora regiaCinamom camphoraGrevillea robustaMilicia excelsaOlea sp.、Senna sp.、Tectona grandisTerminalia sp.が挙げられる(African Forest Forum, 2011)。

樹種類ごとの植林面積割合は、マツ類の65%で最も多く、ユーカリ類20%、その他針葉樹7%、その他広葉樹4%、チーク4%が続いている。

環境保全のための森林再生には郷土樹種が用いられることが多いが、植栽した郷土樹種を詳細に記録した活動報告は見られなかった。傾向としては、乾燥地域ではアカシア類(Acacia spp.)が、東部沿岸部ではマングローブ林構成樹種が、その他の地域ではMarkhamia luteaSesbania sesbanCroton megalocarpus等が、育てやすい樹種として用いられている。また、外来樹種ではLeucaena leucocephalaSenna siameaが植えられる。絶滅危惧種として、Adansonia digitataDalbergia melanoxylonが資源回復のために植栽されている。

また、天然資源観光省が発行している技術指針(Technical Order No. 1 of 2021)では、標高や気候により区分された林業ゾーンに対し、各林業ゾーンに適した植栽樹種を提示している。

表5 タンザニアの林業ゾーンに基づく植栽樹種と適地のマッチング
表5 タンザニアの林業ゾーンに基づく植栽樹種と適地のマッチング
出典:Technical Order No 1 of 2021 (天然資源観光省, 2021, page no.2)

さらに一部の樹種については、最終的な製品や、収穫樹齢や初期の植栽間隔の情報が記載されている。

表6 各樹種の初期植栽間隔、最終製品、収穫樹齢
表6 各樹種の初期植栽間隔、最終製品、収穫樹齢

出典:Technical Order No 1 of 2021 (天然資源観光省, 2021, page no.4)

3. 植林ポテンシャル

3.1. 植林可能エリア

タンザニアの潜在的森林回復(植林)可能エリアを図8に示す。

図8 タンザニアの潜在的森林回復(植林)可能エリア
図8 タンザニアの潜在的森林回復(植林)可能エリア
出典:World Resources InstituteがWeb上で提供しているデータベースを活用して作成


森林の成立可能エリアのほぼ全域において植林活動が可能な区域は存在するが、大規模な植林が可能な区域はごく一部に限られ、それらはインド洋の沿岸部、と一部の内陸部に遍在する。また、北部のアルーシャ州を中心とした地域は、標高が高く乾燥した気候下にあり、樹木の育成が困難なことが想定される。同地域は、森林の成立可能エリアからは除外されている。

3.2. 政府が保有する人工林に転換できる劣化した森林保護区

タンザニア政府は、人工林に転換可能な劣化した森林保護区を複数有しており、さらに各地において人工林造成のための用地を確保している。現在、人工林の造成が見込まれる地域として、以下の5地域が特定されている。

  • Pagale(モロゴロ州北東部、ダルエスサラームの西方向)
  • North Ruvu(キリマンジャロ州、ダルエスサラームの北東方向、モロゴロ州との境界近く)
  • Mafleta(モロゴロ州南西部、モロゴロ州中心部からアクセスしやすい位置)
  • Muhuwesi(モロゴロ州南部、州都モロゴロ市近郊)
  • Sao Hill(モロゴロ州北部、モロゴロ州の中心部から比較的近くアクセスも良好)

3.3. 森林分野の炭素クレジットプロジェクト

(1) VCSへの取組状況

タンザニアにおけるVCS(Verified Carbon Standard)の森林プロジェクト(植林・REDD)の取組み状況を示す。2026年1月現在で14件のプロジェクトの申請が行われ、手続きが完了して正式に登録されているものが2件、手続きが進行中のものが12件(開発中7件、検証承認申請済み3件、検証中1件、登録申請済み1件)確認できる(表7)。

プロジェクトIDプロジェクト名プロジェクト申請団体実施地域分野面積 (ha登録状況 (他のプログラムへの登録状況)
5679Igombe REDD + Project  EcoNet ix GmbHTabora regionREDD106,006Under development
5457Tanza Blue  Blue ForestKilwa district (Lindi region)ARR; WRC5,000Under development
5384One Acre Fund Tanzania Agroforestry Program  One Acre Tanzania LimitedIringa regionARR13,776 (34,042 Acres)Under validation (SD VISta (Undergoing validation))
5282The Rubeho Mountains Carbon ProjectCompassionate Carbon TZKilosa district (Morogoro region) and Mpwapwa district (Dodoma region)ARR; REDD393,849Under development
4924Longido and Monduli Rangelands Carbon ProjectSoils for the Future TanzaniaArusha regionALM970,685Under development
4881TIST Program in Tanzania, VCS-CCB-011Clean Air Action CorporationMultiple including Mpwapwa and Kibondo areasARR2,882Registration requested (CCB (Under Verification))
4838Ruvuma Wilderness ProjectCarbon TanzaniaRuvuma regionREDD733,000Under development
4742The Resilient Tarangire Ecosystem ProjectThe Nature ConservancyMonduli and Longido district (Arusha region) and Simanjiro district (Manyara region)ALM832,529Under development
3602Udzungwa Corridor ReforestationUdzungwa Corridor LimitedIringa and Morogoro regionARR7,500Registered (CCB (Validation approved))
1900Makame Savannah REDDCarbon TanzaniaKiteto district (Manyara region)REDD104,065Verification approval requested (CCB (Verification approval requested))
1897Ntakata Mountains REDDCarbon TanzaniaKatavi regionREDD204,807Verification approval requested (CCB (Under Verification))
142Reforestation of degraded grasslands in Uchindile & Mapanda, TanzaniaGreen Resources Tanzania Ltd (GRL)Morogoro and Iringa regionARR5,625Registered (CCB (Verification expired))
1325Village Climate SolutionsVillage Climate Solutions LimtedLindi regionREDD42,194Verification approval requested (CCB (Verification approval requested))
1381HIMA (Hifadhi ya Misitu ya Asili ya jamii) REDD+ Program  Multiple ProponentsZanzibarREDD82,754Under development (CCB (Validation and verification public comment period expired))
表7 タンザニアにおけるVCS取り組み状況
ALM:Agricultural Land Management(改良型農地管理)
ARR:Afforestation, Reforestation, and Revegetation(植林・再植林・植生回復)
REDD:Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation(森林減少・劣化の削減)
WRC:Wetland Restoration and Conservation(湿地の回復と保全)

(2) JCMでの取組状況

JCMについては、2025年5月に日本政府とタンザニア政府の間での合意が得られ、二国間文書に署名された。同年9月に第一回の日・タンザニア合同委員会がダルエスサラーム市で開催された。

3.4. 植林にあたっての課題

タンザニアでの森林管理上の課題として以下があげられている(天然資源観光省, 2000)。

  • 森林管理技術の老朽化(現行のニーズに即していない)
  • 植栽樹種の多様性の欠如
  • 森林管理情報の不足
  • 素材および製材品の品質の低さ
  • 運営資金と資機材の不足
  • 一部の地域での違法占有や違法伐採
  • 人員不足、一部人員のモチベーションの欠如
  • 森林火災の増加
  • 投資家の融資取得を妨げている金融機関の高金利
  • イトスギ林でのアブラムシ被害の蔓延

これらのなかで植林にあたっての技術的課題としては、①森林管理技術の老朽化、②植栽樹種の種の多様性の欠如であり、それが、③森林管理情報の不足と相まって課題の解決を困難にしていることが考えられる。植栽樹種の選定や育成にあたっては、気象条件や植生が類似した近隣諸国の事例等も参考にしながら慎重に検討していくことが肝要である。

また、⑥一部の地域での違法侵入や違法伐採、⑧森林火災の増加も他の国々でも森林造成に付随して発生する課題である。これらについては、地域住民との良好な関係を築きながら、住民の森林が有する多様な価値の認識を促すことで、⑥および⑧による森林減少・劣化を低減することが期待される。また、⑧については、必要に応じて防火帯の設置を検討すること、火災発生初期の連絡体制を構築しておくこと等により被害を最小限に抑えることが期待できる。

天然資源観光省の報告書には触れられていないものの、植林用地の確保は、どの国でもプロジェクト開始時に直面する大きな課題である。とりわけ土地権利に関する問題は複雑になりやすいため、事前に十分な情報収集を行い、適切な対象地を慎重に選定することが重要である。

4. 植林を実施している民間企業・NGO

2026年1月の時点で、日本のNGO団体1団体と民間企業1社が継続的な植林協力活動を行っている。また、タンザニア国内には森林分野や環境分野での活動に取り組む数多くの NGO が存在し、それぞれ独自の考え方や手法に基づいて、森林再生のための植林活動や住民の生計向上に直結した植林活動に取り組んでいる。

表8に代表的なNGOについて活動概要を整理した。

団体名対象地概要
タンザニア・ポレポレクラブ (Tanzania Pole Pole Club)キリマンジャロ州キリマンジャロ山における持続的な森林保全・管理実現のために、1997年から植林事業や地域主導による森林保全・管理枠組構築事業を開始。2025年時点で、山麓で協力している村は40村、累計植栽本数は約50万本になる。 また、植林のみならず、森林保全につながる養蜂活動や改良かまどの普及事業等を併せて実施している。 現地NGOのTanzania Environmental Action Association(TEACA)と協力して事業を展開している。
ヤマハ株式会社シニャンガ州木管楽器の重要な材料であるアフリカン・ブラックウッドの生態や森林の管理状況などの調査を2015年から実施し、2017年から植林活動を開始。同樹種を楽器素材として持続的に利用できるビジネスモデルの実現に向け、森林保全と楽器生産、コミュニティ開発の観点から、植林技術の導入や土地利用の改善、材料利用技術の開発などを進め、地域住民の手による苗木育成・森林保全活動の定着を支援している。2025年3月までに、約27,000本を4つの村で植樹する規模に広がっている。
公益財団法人 オイスカモロゴロ州JICA海外協力隊の環境教育隊員と連携して、2025年に子供の森計画を試験的に実施。67名が参加し、果樹や在来樹種30本を植栽した。
公益財団法人 緑の地球防衛基金 (The Defense of Green Earth Foundation (DGEF))キリマンジャロ州、アルーシャ州、ダルエスサラーム州1992年から2019年にかけて、現地NGOのTanzania Environmental Action Association(TEACA)と協力してタンザニア・キリマンジャロ山モデル造林事業を展開。27年間の累計で約150万本の苗木を植栽した。 植林のみならず、森林保全につながる改良かまどの普及事業や住民の生計向上のための縫製技術の移転等を併せて実施した。
African Forest Landscape Restoration Initiativeドドマ州アメリカの環境保護団体等が主体となり運営しているInternational Small Group and Tree Planting Programと、同じくアメリカのNGOであるOne Tree Planted連携して展開しているRestore 100 million hectares of land in Africa by 2030 (Afr100)の一環とした活動が、タンザニアではドドマ州ムプワプワで行われている。 500haの土地再生、雇用創出、コミュニティの強化、貧困削減を目指し、アグロフォレストリー方式で20万本以上の樹木を農地に植栽してきた。
Floresta Tanzaniaキリマンジャロ州2005年に設立されたタンザニアのキリスト教系NGOであり、環境保護や持続可能な開発を目指して、地域社会と協力しながら植林や再生可能エネルギーの普及などの活動を行っている。森林破壊と貧困を、農村部の貧困層の生活を変革することで逆転させることを使命としている。 2023年には、150万本超の苗木を生産し、水源地域や様々な施設の敷地内、沿道や個人の農地に植栽した(果樹約24万本、郷土樹種約56万本、外来樹種約62万本、観賞用樹木約12万本)。
Forest Focusモロゴロ州、ダルエスサラーム州2006年に設立されたタンザニアのNGOであり、タンザニアの北東海岸と東アーク山脈において、樹木の植栽活動、コミュニティの環境教育と意識向上、持続可能な農業の促進に取り組んでいる。 2030年までに1200万本(最終目標は1500万本)の樹木を植栽することを使命としており、これまでに850万本以上の樹木が植栽されている。
Global Resource Alliance – Tanzaniaルショト州アメリカに本部を置くGlobal Resource Alliance – USAに加盟する組織として2008年に登録されたタンザニアのNGOで、貧困、飢餓、疾病の撲滅に取り組んでいる。 ベルギーに本部を置くウィーフォレスト(WeForest)から資金と技術支援を受けて活動を実施。アグロフォレストリー方式でニーム、果樹、モリンガ、ジャトロファの植栽を行っている。
Greening Earth Foundationシンギダ州2006年に設立されたタンザニアのNGOであり、タンザニアの中でも森林劣化の進行が深刻なSingida州Iramba地区において、農村部のコミュニティの貧困の主要な原因となっている劣化した森林の回復と天然資源の持続可能な利用の推進に焦点を当てた活動を展開している。 2022/23年度には、プロジェクトの苗畑で育成した苗木のうち301,575本(平均163本/世帯)を活動参加農家に配布し、アグロフォレストリー方式で植栽、植栽面積は合計301.6haに及んだ。
International Tree Foundationザンジバル州、他イギリスに本拠地を置くNGOであり、主に東アフリカ(タンザニア、ケニア、ウガンダ)およびナイジェリアで活動を展開している。 タンザニアでは2006年から活動を開始した。生物多様性に富み生態学的に重要な地域に隣接する劣化した森林の回復に焦点を当て、ウサンバラ山脈、キリマンジャロ森林水源地、カタヴィ・ルクワ地域、ミオンボ林地を対象として、森林の再生、野生生物の保護、強靭なコミュニティの構築に取り組んでいる。また、絶滅危惧種の保護にも力を入れている。
Mikoko Development Foundation (MDF)ザンジバル州2009年に設立されたタンザニアのNGOであり、主にタンザニアの沿岸地域、特にミココ(Mangrove)エコシステムの保護と再生に取り組んでいる。主な活動には、植林活動の他、コミュニティの意識向上のための環境教育、生計向上、生物多様性の保護活動が含まれている。 これまでに22万本超のマングローブ樹木、約100万本のその他樹木の植栽を行い、1,100ha以上の森林地を回復した。
Plant with Purposeタンガ州アメリカ合衆国に本拠地を置くNGOであり、持続可能な農業と植林活動を通じて貧困削減や環境保護に取り組んでいる。 主に、ハイチ、エルサルバドル、メキシコ、タンザニア、ドミニカ共和国で活動を行っており、タンザニアでの活動は2011年から開始した。 タンザニアでは、植林活動、持続可能な農業技術の導入、地域社会の教育などを通じて、環境の保護と住民の生活向上を目指している。 キリマンジャロ山と南パレ山脈から流れるパンガニ川流域において生態系を保護し、コミュニティを支援する活動を行っている。 農家たちが年間100万本以上の植樹により生態系の回復に取り組んでおり、これまでに2000万本以上の樹木が植栽されている。
Reforest’ Action  タンガ州2008年に設立されたフランスのNGOであり、タンザニアを含むアフリカ地域やその他の地域で植林活動や、コミュニティの持続可能な開発を促進している。 タンザニアではFriends of Usambaraをパートナーとして、現在まで2200万本の樹木を植栽。最終的に3000万本の樹木を植栽予定。
Tanzania Forest Conservation Group (TFCG)モロゴロ州、ダルエスサラーム州、他1993年に設立されたタンザニアのNGOであり、農村地域における貧困削減と、森林の生物多様性保全活動を通じて、現在および将来の世代の利益に貢献することを使命としている。 2024年から5か年間の戦略として、2028年までに少なくとも5万haの生物多様性の豊富な地域を含む25万haの森林で、コミュニティベースの森林管理が行われること目指している。
TanzMontキリマンジャロ州2015年に設立されたタンザニアのNGOであり、地域住民の環境意識の向上を目的として、住民自らが在来樹種を育て再植林するための支援活動を行っている。 2015年の公式設立に先立ち、2014年からすでに在来樹種の植樹を開始しており、、その本数は1万本を超えている。希少樹種Prioria msooを含む絶滅危惧樹種の保護・育成にも力を入れている。
その他 その他、以下の団体がタンザニアで植林活動を行っている。 Ecosia(シニャンガ州、モロゴロ州) Friends of Usambara(タンガ州) Global Giving(モロゴロ州) Grow My Tree(モロゴロ州) One Acre Fund(ムトワラ州、ンガラ州) One Tree Planted(モロゴロ州、タンガ州) Tree Life Community Tanzania(モロゴロ州) Trillion Trees(モロゴロ州、ニャンガ州) World Land Trust(タンガ州、モロゴロ州)
表8 タンザニアでの民間企業・NGOによる植林活動例

5. 植林に関する参考文献リスト

5.1 【森林の概況】

【気候帯】

【気象】

【産業】

【行政上の土地分類】

【森林の定義】

【森林の区分】

【森林資源の減少と劣化の要因】

【森林・林業に係る法制度】

【保護地域】

【森林保護区】

【国立公園】

【森林・林業に携わる管轄組織】

5.2 【森林関連基礎情報】

【政策】

【植林実績】

【主な植林樹種】

【植林可能エリア】

【森林分野の炭素クレジットプロジェクト】

【植林にあたっての課題】

【植林を実施している民間企業・NGO】

6.植林に関するその他情報収集リスト

【政策等】

  • Support for the Development of the National Forest Policy Implementation Strategy and Forest Legislation in Tanzania (FAO, 2021)
  • タンザニア政府の要請を受け、FAOが森林政策の実施戦略策定と森林法改正を支援し、持続的森林管理の強化と政策実行体制の改善を図るプロジェクト報告書
    https://openknowledge.fao.org/server/api/core/bitstreams/c2a7a478-133a-4a17-95b9-e7d2b7475df7/content
  • National Forest Landscape Restoration Strategy 2023-2033 (天然資源観光省 (Ministry of Natural Resources and Tourism), 2023)
  • タンザニア政府が森林劣化や気候変動に対応するため、2023年から10年間で森林景観の回復を体系的に進める国家戦略であり、森林保全、再生、地域社会の参画強化を通じて持続的な生態系と生計向上を図る取り組み
    https://maliasili.go.tz/assets/pdfs/PRINTREdesgin-NationalFLRStrategyBookDesign_compressed.pdf
  • Forest Landscape Restoration – Tanzania Country Report (Tanzania Specialist Organisation on
  • Community Natural Resources and Biodiversity Conservation (TASONABI), 2001)
  • タンザニアの森林資源の現状、森林政策の変遷、森林景観回復(FLR)の課題と可能性を包括的に分析し、持続的な森林再生に向けた政策的提言をまとめた報告書
    https://wwfeu.awsassets.panda.org/downloads/tanzaniaflr.pdf
  • National Wildlife Management Areas Strategy (2023-2033) (天然資源観光省 (Ministry of Natural Resources and Tourism), 2023)
  • 地域住民主体のWildlife Management Areas(WMAs)を強化し、野生動物保全と農村生計の向上を両立させる10年戦略であり、政策整備、景観保全、団体能力強化、地域参画の拡大を通じて持続可能なコミュニティ主導型保全を促進するもの
    https://maliasili.go.tz/assets/pdfs/DOC-20230601-WA0038_230705_135553_compressed.pdf
  • National Bamboo Development Strategy and Action Plan 2023-2031 (天然資源観光省 (Ministry of Natural Resources and Tourism), 2023)
  • 竹資源を持続的に活用し、国内産業の育成、雇用創出、気候変動対策、土地回復を促進するための国家戦略であり、竹の生産・加工・市場拡大・研究・投資促進を包括的に推進する計画
    https://maliasili.go.tz/assets/pdfs/FINALNATIONALBAMBOODEVELOPMENTSTRATEGYANDACTIONPLAN-29-08-2023-SAMORANssoko5SEPTEMBER2023salum.pdf
  • National Adaptation Plan 2025-2035 (タンザニア副大統領府, 2025)
  • 気候変動による洪水・干ばつ・高温化・海面上昇などの影響に対応し、農業、水、健康、インフラ、沿岸域を含む9分野で気候リスク低減とレジリエンス強化を進めるための国家適応戦略であり、開発計画への適応統合と長期的な気候対策の実施を導く指針
    https://unfccc.int/sites/default/files/resource/NAP_UNITED%20REPUBLIC%20OF%20TANZANIA.pdf

【植生】

  • Tanzania Potential Natural Vegetation Map (Vegetationmap4Africa (VECEA), web site)
  • タンザニアの潜在自然植生を 48タイプ(森林タイプ16、ウッドランド・草原系タイプ15、ブッシュランド・シケット5、その他(湿地等)12)に分類、GIS 形式で植生ポリゴンが取得可能。研究者・行政が利用する標準的データであり、詳細な植生分類と記述が揃っている
    https://github.com/Heed725/Vegetation-Map-of-Tanzania/commit/fdbd7936fef6dc5617e74cfe4bdcdb393fc55d32
  • Land cover of United Republic of Tanzania – Globcover (22 classes) (FAO, web site)
  • LCCS(Land Cover Classification System)の分類(22分類)によりタンザニア全土がポリゴン化されている。森林、混合植生、灌木地、草地など広域タイプごとに面積抽出可
    https://data.apps.fao.org/catalog/iso/900acaf8-69a1-4df6-84ef-8bd71abad46b
  • Useful Trees and Shrubs for Tanzania – Identification, Propagetion and Management for Agricultural and Pastoral Communities (Swedish International Development Authority (SIDA), 1994)
  • タンザニアの農・林業地域で重要となる有用樹木・低木について、特徴、繁殖方法、管理手法、現地名などをまとめた実用的な技術ハンドブック
    https://apps.worldagroforestry.org/usefultrees/frontpages/Useful_Trees_Tanzania.pdf