メキシコ合衆国

1. 森林の概況

1.1. 自然地理と土地利用区分の概要

(1) 自然地理

メキシコ合衆国(以下、メキシコ)は北アメリカ大陸南部に位置する連邦共和国であり、国土面積は1,944万haである。

中央部にメキシコ高原が広がり、首都のメキシコ・シティも標高2,300mに位置する高原都市となっている。メキシコ湾に向かって突き出すユカタン半島やその他沿岸部に平野はあるが、国の北部は平均1,000m前後、中央部で2,000m前後と、全体として標高の高い地域に占められた高原の国である(図1)。

図1 メキシコ国の地形
出典:https://srv1.worldometers.info/img/maps/mexico_physical_map.gif

気候は、国土面積が広大で緯度の幅が大きく地形も変化に富むことから地域によって様々である。大別すると、アメリカとの国境に近い北部やメキシコ・シティを含む中央高原部は乾燥地帯、メキシコ湾沿いや太平洋側は温帯、ユカタン半島を含む南部は熱帯に区分される。雨季(5月~10月)と乾季(11月~4月)が存在し、砂漠地帯や中央高原では、朝晩の気温が10℃以下になる。

World BankがWebサイトClimate Change Knowledge Portalでメキシコ全体および州ごとの、月平均最低気温、日平均気温、最高気温および月降水量(1991-2023)の情報を公開しており、それぞれダウンロードすることができる。

図2 メキシコ全体および州ごとのグラフの例
出典:https://climateknowledgeportal.worldbank.org/country/mexico

(2) 産業

2019年時点において、メキシコの労働力人口は約5,734万人であり、全人口の45.5%にあたる。業種別の就業人口については、卸売・小売業が1,070万人、製造業が約954万人、農林水産業が約700万人、次いで建設業が約435万人となっている。2022年時点で、農用地の面積(永年作物地、永年採草・放牧地を含む)は9,602万haあり、国土面積の48.8%を占めているが、GDPに対して農林水産業の占める割合は3.9%にとどまっている。

(3) 土地利用区分

生物多様性保全および持続可能な利用に関する国家委員会(CONABIO)はメキシコの土地利用区分を定期的にモニタリングし、図面として整理したものをWeb上で公開している。 2005年と2021年の状況を比較すると、国全体としては大きな変化は見られないが、ユカタン半島の一部で放牧地が森林に変化していること、バハ・カリフォルニア半島の一部、カリフォルニア湾に面した大陸側の一部で農用地が放牧地や低木林に転換されていることが確認できる。

図3 土地利用と植生の変化
用語用語(日本語)
Acuicola養殖場
Agricultura農用地
Asentamientos humanos人間居住区域
Bosque森林(Bosque)
Chaparralチャパラル(灌木林の一種
Manglarマングローブ林
Matorral低木地
Mezquitalメスキート(マメ科のマメ科の亜高木~低木)林
Palmarヤシ林
Pastizal草地(放牧地)
Popalポパル(湿地の一種)
Pradera草地(自然草原)
Sabanaサバンナ
Sabanoideサバンナ様植生(外観はサバンナに似るが、丘陵の斜面に発達するのが特徴)
Selva森林(Selva)
Tularトゥラル(湿地の一種)
Vegetacion植生
Zona urbana都市部
Limite estatal州境
Limite internacional国境
表1 凡例の説明

土地利用と植生のデータセットは、2005、2009、2013、2016、2021年版の5回分がWeb上で公開されており、それぞれの図面を下記サイトから入手することができる。

2005年:http://geoportal.conabio.gob.mx/descargas/mapas/imagen/96/usv250ks3gw

2009年:http://geoportal.conabio.gob.mx/descargas/mapas/imagen/96/usv250ks4gw

2013年:http://geoportal.conabio.gob.mx/descargas/mapas/imagen/96/usv250s5ugw

2016年:http://geoportal.conabio.gob.mx/descargas/mapas/imagen/96/usv250s6gw

2021年:http://geoportal.conabio.gob.mx/descargas/mapas/imagen/96/usv250s7gw

1.2. 森林の定義

メキシコでは森林を以下のとおり定義している。その定義によると、森林を単なる樹木の集合体ではなく多様な資源と機能を持つ複雑で価値のあるエコシステムとして位置づけているのが特徴的である。



用語
定義
森林0.5ha以上の面積を持つ区域で、樹高5m以上、樹冠被覆率10%以上の樹木が生育しているか、または現地でこれらの基準に達する可能性があり、木材、魚類、野生生物、生物多様性、水質、レクリエーション、景観、その他の公益的機能を含む1つ以上の森林資源の管理を可能にする樹木が生育している区域
表2 森林の定義
出典:Protocolo Forestal para México (Versión 3.0 – 5 de octubre de 2022), Climate Action Reserve https://www.climateactionreserve.org/wp-content/uploads/2022/10/Protocolo-Forestal-para-Mexico-V3.0_ESP-1.pdf

1.3.森林の区分

森林の区分については、森林や環境に関係する国家機関がそれぞれ独自の観点から区分した情報が公開されている。FAOのGlobal Forest Resources Assessments 2020(GFRA2020)カントリーレポートでは、メキシコの森林を含む土地被覆の状況を、1.温帯林(Bosque)、2. 熱帯雨林(Selva)、3. 耐乾性低木林、4. 親水性植物群落、5. その他植生、6. 草原、7. 人為植生、8. 農地・養殖場等、9. 人間居住区等の9種に大別した上で、それらを植生の構成種や立地環境等により、さらに中区分、小区分し、それぞれについてモニタリングを行い、統計データが作成されている。

大区分中区分小区分
温帯林 (Bosque)針葉樹林アヤリン林、ヒマラヤスギ林、オヤメルモミ林、マツ林、松柏混交林、タスカテ林、低木針葉樹林
オーク林オーク林、柏松混交林
山地雲霧林山地雲霧林
熱帯雨林 (Selva)常緑広葉樹林高木性常緑樹林、高木性半常緑樹林、低木性常緑樹林、低木性半常緑樹林、中木性常緑樹林、中木性半常緑樹林
半落葉広葉樹林低木性半落葉樹林、中木性半落葉樹林
落葉広葉樹林亜熱帯低木林、低木性落葉樹林、中木性落葉樹林
灌木林(棘林)熱帯メスキート林、有刺落葉低木樹林、有刺半常緑低木樹林
耐乾性低木林 (Matorral)チャパラル(灌木林の一種)、厚幹低木林、小葉砂漠低木林、ロゼット型砂漠低木林、タマウリパス棘低木林、海岸ロゼット型低木林、肉質幹低木林、多肉厚茎低木林、霧地域多肉厚茎低木林、山麓低木林、砂漠地メスキート林、砂漠地砂地植生、石膏質土壌植生
親水性植物群落 (Vegetatión Hidrófia)河岸林(Bosque)、マングローブ林、ポパル(湿地の一種)、河岸林(Selva)、トゥラル(湿地の一種)、河岸植生、ペテン植生(低地の湿地帯の植生)、湿地帯の塩生植物群落
その他植生メスキート林、天然ヤシ林、海岸砂丘植生、乾燥地帯の塩生植物
草原石膏質土壌の草地、塩生植物の草地、自然草地、高山草原、サバンナ
人為植生人工林(産業目的)、導入林(環境植林等)、人工ヤシ林、栽培草地、誘導草地、サバンナ状植生
農地・養殖場等養殖場、天水農業(通年)、灌漑農業、天水農業(雨季のみ)
人間居住区等人間居住区、裸地、準裸地、都市地域
表3  GFRA2020におけるメキシコの土地被覆区分
図4 メキシコ政府の生物多様性保全および持続可能な利用に関する委員会(CONABIO)がウェブサイトで示している各植生の典型的なイメージ
出典:https://www.biodiversidad.gob.mx/ecosistemas/ecosismex

面積的には、耐乾性低木林の占める割合が最も高く5,490万ha(国土面積の28.2%)、次に農地・養殖場等の3,313万ha(17.0%)である。温帯林と熱帯雨林の中では、落葉広葉樹林1,707万ha(8.8%)、針葉樹林1,683万ha(8.7%)、オーク林1,588万ha(8.2%)の順となっている。

針葉樹林の中ではマツ林と松柏混交林の割合が高く(それぞれ針葉樹林の51.4%、45.3%)落葉広葉樹林の中では低木性落葉樹林の占める割合が高くなっている(落葉広葉樹林の86.2%)。

図5 土地被覆の割合(単位:1,000 ha)
出典:FAO, Evaluación de los recursos forestales mundiales 2020 – Informe – Méxicoの掲載情報を基に作成

2020年において、蓄積量の大きい在来樹種の上位10樹種は、1. Pinus oocarpa、2. Pinus durangensis、3. Pinus pseudostrobus、4. Bursera simaruba、5. Lysiloma latisiliquum、6. Quercus magnoliifolia、7. Pinus teocote、8. Brosimum alicastrum、9. Abies religiosa、10. Pinus arizonicaであり、これら10種で郷土樹種の全蓄積量の26.4%を占めている。針葉樹、特にマツ類の蓄積が大きい。

外来樹種については、1. Melia azedarach(センダン)、2. Chrysophyllum cainito(スターアップル)、3. Hevea brasiliensis(パラゴムノキ)、4. Annona cherimola(チェリモヤ)、5. Schinus molle(ペルーコショウ、カリフォルニア ペッパー)が上位5樹種となる。センダンを除き、果樹やゴムの木等工芸作物の栽培による蓄積が大きい。

1.1. 行政上の土地分類

メキシコの森林はコミュニティ林、私有林、国有林の3区分に大別され、各森林の面積割合はコミュニティ林が 55%、私有林が 35%であり、国有林はわずかである。

1.2. 森林資源の減少と劣化の要因

2020 年におけるメキシコの森林面積は6,569万ha であり、国土面積の約 33%強を占め、このうち天然林は6,559万ha、人工林は10万haである。森林面積は1990年から2020年にかけて平均16万ha/年(森林面積の約0.23%に相当)のペースで減少した。減少ペースは徐々に緩和されており、2010年から2020年の10年間の年平均減少面積は1990年から2000年の10年間の22万ha/年に対し12万ha/年であった。

図6 森林面積の推移

森林減少・劣化の要因としては、違法な土地利用転換、違法伐採、原木や林産物の違法取引、森林火災、病害虫、不適切な森林管理等があげられる。

森林伐採や森林から農地等への土地利用転換は、環境天然資源省(SEMARNAT)によって許認可される。SEMARNATが許可しているのは年間平均1万2千~1万3千haであり、2000年以前に年間25万~26万haの割合で失われた森林減少面積の5%程度である。特にアボカド、オイルパーム、大豆の栽培や食肉生産といった高収益の商業的農業活動、および自給自足的な活動(焼畑、大規模畜産、トウモロコシや豆の栽培)のための土地利用転換による森林減少が顕著である。その他、観光開発、鉱業、不動産プロジェクト、麻薬栽培等も森林劣化に対して影響が大きい活動とされている。

1.6. 木材生産のための樹種

政府の統計情報によると、2004年から2015年にかけてのメキシコの年間木材生産量は560万~690万m3と推定される。樹種別ではマツ類(77%)、オーク類(9.8%)、モミ類(2.6%)、熱帯性樹種(6.0%)、貴重樹種(0.4%)という内訳であった(SEMARNAT, 2016)。マツ類で生産量が最も多いのは、アリゾナマツ(Pinus arizonica)、ドゥランゴマツ(Pinus durangensis)、アパッチマツ(Pinus engelmannii)であり、熱帯性樹種では、ブラックポイズンウッド(Platymiscium yucatanum)、サポディージャ(Manilkara zapota)、グラナディージャ(Platymiscium yucatanum)、マチチェ(Lonchocarpus castilloi)、グレゴリーウッド(Bucida buceras)、カタロックス(Swartiza lindelli)、ジリコッテ(Cordia dodecandra)等の木材生産樹種の割合が高い。また、熱帯地方で生育する商業的価値の高い貴重樹種として、マホガニー(Switenia macrophilla)とセドロ(Cedrela odorataCedrela mexicana)が挙げられる。

1.7. 森林・林業に係る法制度

(1) 持続的な森林開発基本法(2003年制定、2017年改正)

Ley General de Desarrollo Forestal Sustentable 2003

実質的な森林法であり、森林管理による社会、経済、生態系および環境の総合的な発展のために必要な事項が規定されており、主に環境・天然資源省(SEMARNAT)が管轄している。

植林に関連する事項としては、第62条に林業経営および商業用植林の所有者が負う義務について規定されている。

(2) 環境保全基本法(1998年制定、2018年改正)

Ley General del Equilibrio Ecológico y la Protección al Ambiente LGEEPA

環境保護と生態系の均衡の維持、自然資源の持続可能な利用の促進に必要な事項が規定されており、主に環境・天然資源省(SEMARNAT)が管轄している。

自然保護区の設置と管理についても環境保全基本法で規定されており、第46条において自然保護区の種類とその設定・管理主体について定義するとともに、第48条から第55条において、各自然保護区の設定の目的、対象地の特徴、制限事項等が規定されている。また自然保護区の概要や設定状況については、自然保護地域委員会(CONANP)が提供している位置図で確認できる(図7)。

カテゴリーの名称設定の目的、対象地の特徴、制限事項
生物圏保護区 (Reservas de la Biosfera)国家的に重要な生物地理学的地域に設置され、人間による著しい改変を受けていない、あるいは保全と復元が必要な1つまたは複数の生態系を代表する地域で、固有種、絶滅危惧種、準絶滅危惧種が生息する地域。 コアゾーンでは、生態系の保全、科学研究、環境教育に関連する活動のみが許可され、生態系を改変する活動は一切禁止されている。バッファーゾーンでは、当該保護区が制定された時点でそこに居住していた地域社会による生産活動のみ許可される。
国立公園 (Parques Nacionales)景観の美しさ、科学的、教育的、娯楽的および歴史的価値、動植物相の多様性、観光開発へ適性、またはその他公益的価値の観点から、重要な1つ以上の生態系を有する地域。 自然資源の保護、動植物の増加、生態系の保全、伝統的利用、研究、レクリエーション、観光、生態系教育に関連する活動のみ許可される。
野生動植物保護地域 (Áreas de Protección de Flora y Fauna)野生動植物の種の存続、進化、繁栄が、その生息地の保全状態と生態的バランスに依存している地域に設置される。 野生動植物種の保護、再生、繁殖、順化、庇護、研究、持続可能な利用などの活動を行うことができるほか、その分野における教育や普及活動も行うことができる。当該保護地域が制定された時点でそこに居住していた地域社会は、メキシコの公式規則および当該地域宣言で定められた土地利用規則に従って、自然資源を利用することができる。
自然資源保護地域 (Áreas de Protección de Recursos Naturales)森林地帯に所在する土壌、水源、水資源等の自然資源の保全と保護を目的として指定された地域であり、これには、森林保護区、森林地帯、河川、湖、潟、泉、およびその他水域など、国民の生活用水の供給源と見なされる区域が含まれる。 自然資源の保全、保護、持続可能な利用に関連する活動、研究、教育、観光のみ許可される。
天然記念物 (Monumentos Naturales)天然の場所や対象物で構成され、独特な性質、美的価値、歴史的または科学的価値を有する地域であり、絶対的な保護体制の下に組み込まれる。他のカテゴリーに含まれるために必要な、生態系としての多様性や面積を有していない場所や対象物が対象となる。 対象地域・物の保全、科学研究、レクリエーション、教育に関連する活動のみ許可される。
保護区 (Santuarios)植物相または動物相が非常に豊富であるか、分布が限られている種、亜種が生息している区域に設定される。地形学的、地理学的に保全や保護が必要な特徴を有した渓谷、草地、洞窟、入り江等も含まれる。 その地域の自然や特性に関する研究、レクリエーション、環境教育活動のみ許可される。
自主的に保全を目的として指定された地域 (Áreas Destinadas Voluntariamente a la Conservación)先住民、社会団体、公的または私的な法人が、自らの土地を保全活動のために指定する自然保護地域であり、それらの人々、組織によって、自然生態系の保全を優先し、地域の生物多様性を維持しながら、土地を持続的に管理・運営されている。
表4 各自然保護区の設定の目的、特徴、制限事項
図7 自然保護区の設定状況
出典:https://www.gob.mx/conanp/documentos/areas-naturales-protegidas-278226?idiom=es
規程内容
第11条森林地帯、熱帯雨林、乾燥地帯における土地利用の変更を行う場合には連邦政府からの認可を受ける必要がある
第44条国土および国家が主権と管轄権を行使する地域のうち、本来の環境が人間活動によって著しく変化していない地域、または生態系および不可欠な機能の保全と回復が必要な地域は、本法令およびその他適用される法令に規定される体制の対象となる
第45条の2所轄官庁は、自然保護区内の土地、水域および森林の、所有者、占有者、またはその他の権利の保有者に対して、本法令で言及される経済的手段を適用して、財政的インセンティブおよび経済的報奨が付与されることを保証する
第46条侵略的外来種の導入は自然保護区では禁止される
第99条土壌の保全と持続可能な利用のため、以下により生態学的基準を設定する IV. 森林地における用途、保護区、目的地の決定 V.- 森林ゾーンおよび保護区の設定 VII.- 農業、林業、水利活動における土壌の保護と修復のための規定、技術指針、プログラムの策定
第100条林業活動が生態系のバランスを著しく悪化させ、その地域の生物多様性、土地の再生能力および生産能力に影響を及ぼす場合、所轄官庁は、持続的な森林開発基本法の規定に基づき、それぞれの許可を取り消し、変更または停止する
第102条森林地帯または乾燥地帯における土地利用、およびその生態系のバランスに影響を与えるすべての認可は、本法およびその他の適用規定に定められた基準および規定に従う
第105条林業活動に付与される財政的優遇措置においては、本法および森林・林業関連法の条件に基づき、林業活動の発展および総合的な促進、商業用植林地の造成および拡大、森林土壌保護のための作業を促進するため、生態学的基準が考慮されるものとする
表5 環境保全基本法に規定された植林活動に関連する事項

(1) 野生生物保護基本法(2000年制定、2016年改正)Ley General de Vida Silvestre

野生生物およびその生息地の保護や取扱いについて定めた法であり、主に環境・天然資源省(SEMARNAT)が管轄している。

木材および非木材森林資源の持続可能な利用については、「危機に瀕している種または個体群の場合を除き、森林・林業関連法にて規定される」ことが第1条で規定されているが、植林に関連して外来種、特に侵略的外来生物の取り扱いについての規定が含まれており、第27条で「侵略的外来種を自然の生息地や生態系に放したり持ち込んだりしてはならない」こと、「侵略的外来種はメキシコの公式基準で決定され、そのリストは3年以内毎に見直され、官報によって公表されること」等が規定されている。

2017年6月時点のリストには130種の植物種が掲載されており、樹木では1. Callistemon citrinus、2. Melaleuca quinquenervia、3. Senna siamea、4. Sesbania grandifloraの4樹種が掲載されている。

また、マングローブ林については、生態学的特性、および生態学的サービスに変化をもたらす活動は禁止されるが、マングローブ地域の保護、修復、調査、保全を目的とした活動は例外とされることが規定されている。

1.8. 森林・林業に携わる管轄組織

(1) 環境・天然資源省(Secretaría de Medio Ambiente y Recursos Naturales, SEMARNAT)

メキシコの環境保護に関する政策と規制を担当する中央省庁であり、その傘下には、国家森林委員会(CONAFOR)、生物多様性保全および持続可能な利用に関する委員会(CONABIO)、自然保護地域委員会(CONANP)、環境保護に係る連邦検察(PROFEPA)、生態学研究所(INECC)が含まれている。

図8 環境・天然資源省の組織構成
出典:平成23年度 CDM 植林総合推進対策事業(途上国の情報収集・整備)報告書(林野庁)https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/cdm/pdf/h23-houkokusho-jouhoushushu.pdf

(2) 国家森林委員会 (Comisión Nacional Forestal, CONAFOR)

環境・天然資源省(SEMARNAT)内の一機関であり、メキシコの森林および土壌資源の保全・修復、持続可能な利用・管理を推進するための政策を実施するとともに、技術的および財政的支援を提供している。

具体的には、森林再生の促進、劣化した森林生態系の復元、森林火災の予防と対策、地域社会の森林開発の促進、天然資源の保護活動を行っており、その任務を遂行するために、さまざまなプログラムや活動を実施している。主要な活動として、メキシコの森林や生産性と競争力を高め、森林地域の生活の質を向上させることを目的として2013年に開始された国家森林プログラム(PRONAFOR)がある。また、火災の影響を受けた森林地域の復旧や、絶滅危惧種の保護を目的とした特定のプログラムも開発されている。

(3) 生物多様性保全および持続可能な利用に関する国家委員会 (Comisión Nacional para el Conocimiento y Uso de la Biodiversidad, CONABIO)

環境・天然資源省(SEMARNAT)の一機関であり、生物多様性の知識の収集と利用を促進するための政策を実施しており、森林生態系の保全もその任務の一部に含まれている。

省庁間を横断する組織として1992年に常設の委員会として設立され、委員には環境・天然資源(SEMARNAT)、農業・農村開発、福祉、経済、公教育、エネルギー、財務・公的信用、外務、保健・観光の各省庁の事務局が含まれている。

CONABIOは生物多様性に関する知識の向上、および生物多様性の保全と持続可能な利用を目指した活動を、推進、調整、支援、実施することを目的としており、生物多様性に関する基礎研究の推進、情報の収集と作成、人材の能力開発、情報と知識を提供している。

(4) 国家自然保護地域委員会 (Comisión Nacional de Áreas Naturales Protegidas, CONANP)

環境・天然資源省(SEMARNAT)の一機関であり、自然保護区や国立公園などの保護地域の管理と保全を担当している。森林保護に係る活動もその一環として含まれている。

2025年現在で、連邦政府管轄の自然保護区232ヵ所(総面積9,900万ha)を管理し、連邦政府管轄の602ヵ所の自主保護区(総面積123万ha)の活動を支援している。

2. 森林関連基礎情報

2.1. 森林政策

(1) 森林開発プログラム(Programa de Desarrollo Forestal; PRODEFOR)

森林資源の持続可能な管理と開発を促進することを目標として、PRONAORの前身のプログラムとして1997年から開始された。森林の持続可能な管理と開発を促進するために設計され、技術支援、資金援助、キャパシティビルディングなどを実施した。森林資源の保護と持続可能な利用を目指し、地域コミュニティや森林所有者に対して支援した。

(2) 森林促進プログラム(ProÁrbol)

森林保護および再生のための包括的なプログラムであり、森林の保護、回復、持続可能な管理の実現を目標に2007年から2012年まで実施された。

特に劣化した地域や水源地周辺での植林に重点を置いた新規植林の推進、土壌の保全と回復を目的とした活動、地域コミュニティや森林所有者に対する技術的な支援や資金援助の提供、地域住民や学校などを対象に環境教育や啓発活動を行うとともに、植林活動や森林再生プロジェクトの進捗をモニタリングし、その効果を評価するシステムを導入した。

(3) 国家森林プログラム (Programa Nacional Forestal, PRONAFOR)

森林保全と持続可能な管理を目的として、2013年に開始された現行のプログラムであり、森林再生、保護区の設立、持続可能な森林利用を支援し、地域コミュニティや土地所有者に技術的および経済的支援を提供している。また、気候変動対策や生物多様性の保護も重視し、森林資源の長期的な利用と保全を促進している。プログラムは主に環境・天然資源省(SEMARNAT)と国家森林委員会(CONAFOR)によって運営されている。

メキシコには、潜在的に持続的森林管理が可能な森林面積が2,080万haあり、そのうち83万haは商業用植林に利用できる可能性があると想定した上で、目標値の設定やその達成に必要な行動計画が「国家森林プログラム 2020~2024年」文書に記されている。このプログラムを実施することで2024年までに持続可能な森林管理下にある土地の割合を、ベースラインとなる2018年の22.2%から36.2%に引き上げることを目標としている。

植林に関しては、優先戦略の1.6項に記載が見られ、商業植林の確立と発展(1.6.1)、アグロフォレストリーシステムの奨励(1.6.2)、商業植林に対する認識の向上(1.6.3)、植林企業と小規模土地所有者の生産的統合(1.6.6)等を図っていくことが課題として掲げられている。

また、優先戦略 1.7において、森林部門の生産サイクルやプロセスに適した資金調達メカニズムの供給と利用を拡大するための国家森林資金調達戦略を策定して実施するとし、商業植林の開始を容易にして後押しをすることにより、持続可能な森林管理下にある土地の割合を増加させていくことを目論んでいる。

また、2030年に達成された森林伐採ゼロ率は維持され違法伐採は根絶されること。2040年までには森林地を所有、占有、居住している人々は、保護、保全、回復、持続可能な利用のプロセスに従って権限を獲得すること等が、プログラムの実施により期待されている。

(4) 国家気候変動特別プログラム(Programa Especial de Cambio Climático, PECC):

気候変動に対処するための国家戦略の一環として策定され、2009年に開始されたプログラムであり、温室効果ガスの削減や適応策を推進するための具体的な行動計画や目標を定めている。

植林に関しては、森林火災の予防と管理、違法伐採の撲滅、森林の回復と再生を目指した取り組みが掲げられている。

2021年に作成された2021-2024年の計画書では、第7章「優先戦略と具体的な行動」の中で、具体的行動の第2.7.5号において、優先地域における戦略的樹種の競争力のある商業植林の確立と発展を促進し農村地域の雇用拡大に貢献することが目標として掲げられ、3.1.3号では、国家森林プログラムに従い2024年までにベースラインとして設定した2018年の年間平均値と比較して森林減少率を30%削減することが謳われている。

2.2. 植林実績

植林実績については、FAOのGFRA2020のカントリーレポートに1993年から2017年までの実績が報告されている。

図9 新規植林面積の推移

1997年に開始された森林開発プログラム(PRODEFOR)により、2000年まで年間植林面積が増加し、その後安定した。さらに2007年開始の森林促進プログラム(ProÁrbol)によって、200n年、2007年に大規模な植林が行われた。また、2011年、2012年にも同様に大規模な植林が行われており、これは国家気候変動特別プログラム(PECC)が2009年に開始され、さまざまな支援が実施された結果と考えられる。

図10 典型的な植林地の状況
出典:Plantaciones forestales, una alternativa económica para el desarrollo forestal (2003, INIFAP)https://www.gob.mx/inifap/articulos/plantaciones-forestales-una-alternativa-economica-para-el-desarrollo-forestal

2.3. 主な植栽樹種

主な植林樹種について、1997年から2008年までの実績がCONAFORにより報告されている。同報告によると、木材利用樹種の植林総面積約10万haに対して、ユーカリ類や、Cedrela odorata(レッドシダー)、マツ類が主な植林樹種となっている。

樹種名面積 (ha割合(%
Eucalyptus(ユーカリ類)21,167.821.1
Cedrela odorata20,705.020.7
Pinus(マツ類)13,566.213.5
Gmelina arborea10,830.110.8
Tectona grandis9,024.59.0
Swietenia macrophylla6,328.46.3
Hevea brasiliensis2,892.02.9
その他15,617.015.6
合計100,131.1100.0
表6 主要植林樹種の植林実績(1997から2008年までの累計)
出典:Situacion Actual y Perspectivas de las Plantacionaes Forestales Comerciales en Mexico、https://framework-gb.cdn.gob.mx/files/conafor/Libro-Situacion%20Actual%20y%20Perspectivas_de_las_Plantacionaes_Forestales_Comerciales_en_Mexico.pdf

非木材利用樹種の植林総面積は約1.7万haであり、木材利用樹種の植林面積と比較すると、その17%程度である(表7)。AgaveYucca等の繊維作物、エネルギー作物(Jatropha carcus)、Chamaedorea類(観葉植物)が好んで植えられている。

樹種名面積 (ha割合(%
Agave lechuguilla10,161.658.6
Euphorbia antisiphylitica3,734.221.5
Chamaedorea elegans1,627.99.4
Chamaedorea pochutlensis632.03.6
Jatropha curcas272.01.6
Yucca schidigera190.01.1
Yucca thompsoniana169.31.0
Chamaedorea ernesti-augusti164.10.9
Chamaedorea oblongata103.40.6
その他293.11.7
合計17,347.5100.0
表7 主要非木材利用樹種の植林実績(1997から2008年までの累計)
出典:Situacion Actual y Perspectivas de las Plantacionaes Forestales Comerciales en Mexico

また、2023年に国立林業・農業・畜産研究所(Instituto Nacional de Investigaciones Forestales, Agrícolas y Pecuarias; INIFAP)がメキシコ南東部における植林地の造成について報告しており、それによると、メキシコ南東部における主な植林樹種はEucalyptus spp. (ユーカリ)、Tectona grandis(チーク)、Gmelina arborea(メリーナ)、Cedrela odorata(レッドシダー)、Swietenia macrophylla(マホガニー)であり、成長率は15~60m/ha/年である。

3. 植林ポテンシャル

3.1. 植林エリア

World Resources InstituteがWeb上で提供しているAtlas of Forest and Landscape Restoration Opportunitiesによって示されたメキシコの潜在的森林回復(植林)可能エリアの図面およびその判定の根拠となっている情報図11に示す。

図11 Atlasで示された潜在的森林回復(植林)可能エリアとその判定根拠
出典:World Resources InstituteがWeb上で提供しているのデータベースを活用して作成https://www.wri.org/applications/maps/flr-atlas/#

メキシコ北・中部の高原地帯は、気候(降雨量・気温)の影響により灌木林しか成立できないことから、森林の成立可能エリアからは除外されている。森林の成立可能エリアのなかで森林が現存せず、かつ人間活動による圧力の程度を加味した上で潜在的森林回復(植林)可能エリアが判定されている。

森林の成立可能エリアのほぼ全域において何らかの植林活動を行う余地(必要性)があるとされるが、大規模な植林を行える(行う必要がある)区域はごく一部に限られ、それらはカリフォルニア湾南端の大陸側低標高地に細長く広がっているとともに、ユカタン半島の一部に散在している。これらの地域は2005年から2021年にかけて農地や放牧地が森林・低木林に転換されている地域と一致する。

3.2. 植林にあたっての課題

(1) 植栽樹種の選択

メキシコは国土面積が広いことに加え地形が複雑であることから、植生が多種多様であり、各地域に適した植栽樹種を慎重に選択することが重要である。北部の砂漠地帯や中央高地等では乾燥に強い種が求められる一方、南部の熱帯雨林地域では湿潤環境に適した種が必要とされる。また、高地の山岳地帯では寒冷耐性のある樹種を選択することが重要である。このように、地域毎の気候条件や土壌特性を考慮しながら適切な植栽計画を立てることが、樹木の健全な生育を確保し、ひいては持続可能な森林再生と生態系の保全に寄与することにつながる。

CONABIOがメキシコに現在分布している生物種(116百万種)について、その生物種の概要および分布地域に係る情報提供サービス(EncicloVida)を公開している。樹種名(学名)を入力することで各生物種の情報を表示させることができ、メキシコ国内に天然分布を持つ種については、その分布図をpng形式の画像ファイルをダウンロードすることが可能である。また、チーク(Tectona grandis)等の帰化種については、メキシコ国内で育成していることが確認された地域の位置情報をKML形式やKMZ形式のGoogle Earthに連動して表示できるファイルでダウンロードすることが可能である。それら情報も参考にしながら植栽樹種を選択していくことが肝要である。

図12  EncicloVidaによる検索結果の事例

4. 植林を実施している民間企業・NGO

4.1. 民間企業・NGOによる植林活動例

2025年3月の時点では、日本の民間企業やNGOが直接関与して実施している植林活動は確認できなかった。しかし、メキシコ国内には森林分野や環境分野での活動に取り組む数多くの NGO が存在し、植林活動や森林の持続的な管理活動に取り組んでいる。

表8に代表的なNGOについて活動概要を整理した。

団体名概要対象地
Bosque Sustentable A.C.森林の保全と再生に焦点を当てたNGO。地域コミュニティと協力して持続可能な森林管理を推進している。 家畜の放牧に伴う炭素排出量を相殺するために、シエラゴルダ保護区の森林再生を促進している。 https://sierragorda.net/bosque-sustentable-aliado-del-savory-institute/ケレタロ州
El Centro Universitario de Ciencias Sociales y Humanidades (CUCSH)Guadalajara大学人文社会科学大学センター(CUCSH)による植林活動。メキシコの環境NGOであるReforestemos MéxicoおよびUdeG財団、Tlajomulco市議会、Zapopan市議会の支援を受けて活動を実施。 Parque Laboratorio Enrique Estrada Faudón (エンリケ・エストラダ・ファウドン研究所公園)の5haを対象として、2021年から生態,,oyo学的および学術的環境を改善するための在来種による回復と再植林を実施。宮脇昭氏方式での植林を実施している。 https://www.gaceta.udg.mx/proyecto-ambiental-cucsh/Arroyo Hondo流域(グアナフアト州)
Naturalia A.C.生物多様性の保護、自然資源の持続可能な利用、環境教育の推進を目的に活動している。2002年にNaturaliaで活動を開始、侵食、違法伐採、火災、都市化、農業、畜産のための伐採により被害を受けたメキシコシティ周辺の主な森林や自然地域を回復するための植林活動を実施。 2006年にグリーンベルトを設置し、メキシコ渓谷周辺で森林再生を開始、その後、活動を拡大し、国内の主要都市周辺の10以上の州で森林再生を実施。プロジェクト開始以来、100万本以上の木を植えてきた。 https://naturalia.org.mx/WP/nosotros/メキシコ国内の主要都市周辺の10以上の州
Plant for the Planetドイツで始まった国際的なキャンペーンであり、メキシコでも活発に活動している。ユカタン半島の3つの州(カンペチェ州、キンタナ・ロー州、ユカタン州)においてSan Felipe Bacalar自然保護区とその周辺、およびBalam-Kú生物圏保護区とカラクムル生物圏保護区の2万haにわたって森林景観の再生に取り組んでいる。2015年から植栽開始、2023年のシーズン終了までに1,060万本、41種の在来樹種を植栽。2023年は43万本を植栽している。 https://pftpmexico.org/カンペチェ州、キンタナ・ロー州、ユカタン州
Pronatura México A.C.1981年に設立された生物多様性の保護に取り組むメキシコ最大の環境保護団体の一つである。森林保全や再生プロジェクトも行っている。全国的なプログラムとして、①私有地自然保護プログラム、②プロナチュラ自然保護情報センター、③全国湿地プログラム、④全国野鳥プログラムを展開している。 https://pronatura.org.mx/全国
Reforestamos Méxicoメキシコ全土で森林保全と再森林化を推進しているNGO。持続可能な森林管理とコミュニティの発展を目指している。 メキシコ国内の20州において計1.2万ha以上を対象として、これまでに230万本以上の樹木を植栽。 https://www.reforestamosmexico.org/ https://www.mejoresalianzasmejoresbosques.org/メキシコ国内の20州
Resilient Ecosystems Institute A.C.(旧Earth Connection Centre)2016年から、セノーテとマヤ遺跡のある生物保護区において、39haの熱帯雨林の再生と再生可能な農業の確立に取り組んでいる。さまざまな形態の農業生態学の実験も行っている。 灌漑設備を備えた3haの食料生産林に335本(60~70種)の植林、1000本以上の植林による20haの熱帯雨林の再生、野生生物のための飲用水池の造成などを行っている。これまでに300種以上の植物が植えられ、8haに直接播種が行われた。 https://www.ecosystemrestorationcommunities.org/community/resilient-ecosystems-institute-mexico/ユカタン州
Soil Centric (Ecosystem Restoration Camps)世界的な組織で、メキシコにもキャンプを設置し、再森林化と生態系の回復に取り組んでいる。 キャンプ形式で参加者は、メキシコの半乾燥高地で、バイオインテンシブ・ガーデニング、コンポスト作り、種子の保存、植樹など、さまざまな有機的かつ再生可能な農業技術を体験する。 https://www.soilcentric.org/products/ecosystem-restoration-camps-paradise-californiaVia Organica(グアナフアト州)  
表8 メキシコでの民間企業・NGOによる植林活動例

4.2. 森林分野の炭素クレジットプロジェクト

(1) VCSへの取組状況

メキシコ合衆国におけるVCS(Verified Carbon Standard)の森林プロジェクト(植林・REDD)の取組み状況を示す。2025年3月現在で22件のプロジェクトの申請が行われ、手続きが完了して正式に登録されているものが1件、手続きが進行中のものが16件、申請が取り下げられたもの、事務局によって却下されたもの、動きの見られないものが5件確認できる(表9)。

プロジェクトIDプロジェクト名プロジェクト申請団体実施地域分野面積 (ha状況
5175Veracruz Mangroves for Life Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/5175Livelihoods Fund SICAV SIFVeracruz StateARR; WRC2,037Under development
5130Nature Generator 2 Coahuila Sustainable Grazing Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/5130Multiple ProponentsCoahuila StateALM56,632Under development
4153Sustainable coffee landscapes in indigenous rural communities of Oaxaca, Mexico Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/4153Livelihoods Fund SICAV SIFOaxaca StateARR6,493Under validation
3674Veracruz Mangrove For Life Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3674Livelihoods Fund SICAV SIFVeracruz StateARR2,101Rejected by Administrator
3479Amigos de Calakmul Community Conservation Forestry Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3479Terra Global Capital, LLCCampeche StateIFM95,077Under validation
3342XiCO2e: Mexican Reforestation Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3342Multiple ProponentsTabasco State, Tamaulipas StateARR1,219Registration and verification approval requested
3343XiCO2e: Mexican Peninsula Forest Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3343FORLIANCE GmbHCampeche State, Quintana Roo StateIFM130,420Withdrawn
3098TabasCO2 Afforestation Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3098Forestaciones Operativas de México S.A. de C.V.Tabasco StateARR3,762Under validation
3057Tlawan kiwi nak chuchit Blue Carbon Mangrove Conservation Project, Conserving Coastal Ecosystems in Veracruz to Support Life Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3057BlueMX Mangrove A.C.Veracruz StateREDD; WRC4,903Under development
3023BONOS DE LA RUTA SIAN KA’AN Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/3023Ban.CO2 de Carbono MestizoQuintana Roo StateIFM67,781Withdrawn
2996NATURE GENERATOR ONE Northern Mexico Sustainable Grazing Carbon Capture Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2996Multiple ProponentsCoahuila StateALM; ARR22,436Under development
2974Aztlan Blue Carbon Mangrove CONSERVATION project – Conserving the Marismas NACIONALES of Nayarit Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2974BlueMX Mangrove A.C.Nayarit StateREDD; WRC45,639Under development
2975U’ Balam’moo A’kalché ó Blue Carbon Mangrove Conservation Project, Conserving Coastal Ecosystems in Campeche to Support Life Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2975BlueMX Mangrove A.C.Campeche StateREDD; WRC32,425Under development
2976Uh lu’umil Zazil-ha Blue Carbon Mangrove Conservation Project, Conserving Coastal Ecosystems in Quintana Roo to Support Life Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2976BlueMX Mangrove A.C.Quintana Roo StateREDD; WRC4,860Inactive
2914BONOS LAGUNA SÍJIL NOH-HÁ Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2914Ban.CO2 de Carbono MestizoQuintana Roo StateIFM47,175Withdrawn
2887Boomitra Grassland Restoration in Northern Mexico Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2887Boomitra IncAguascalientes, Baja California, Baja California Sur, Chihuahua, Coahuila, Durango, Guanajuato, Nuevo Leon, San Luis Potosi, Sinaloa, Sonora, Tamaulipas, Zacatecas StateALM323,748 (800,000 Acres)Registration requested
2842Restoring Mangroves in Mexico’s Blue Carbon Ecosystems Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2842BlueMX Mangrove A.C.Campeche, Nayarit, Quintana Roo, Veracruz StateARR; WRC32,914Under development
2518Carbon sequestration in mangroves of the south – central coastal zone of the state of Sinaloa, México Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2518ALLCOT AGSinaloa StateREDD49,387Under development
2500BONOS DEL JAGUAR AZUL Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/2500Ban.CO2 de Carbono MestizoYucatán StateARR; WRC5,060Under development
1740Reforestation with Teak CO2e TEAKMEX Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/1740Agropecuaria Santa Genoveva S.A.P.I. de C.V.Tabasco StateARR7,500Verification approval requested
1141Fresh Breeze Afforestation Project Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/1141Proteak UNO S.A.B. de C.V.Chiapas, Nayarit, Tabasco StateARR5344Verification approval requested
1414Sustainable Climate-Friendly Coffee (CO2 Coffee) Project https://registry.verra.org/app/projectDetail/VCS/1414Multiple Proponents (Pronatura Sur, A.C., Unidad Ecológica para el Sector Café Oaxaqueño, S.C. (UNECAFE) )Oaxaca StateARR292Registered
表9 メキシコにおけるVCS取り組み状況

(2) JCMでの取組状況

JCMについては、2014年に日本政府とメキシコ政府の間での合意が得られ、二国間文書に署名された。2015年2月に第一回の、2017年9月に第二回の、日・メキシコ合同委員会がそれぞれメキシコ市で開催された。

2017年12月には合同委員会により、太陽光発電システムの設置に係るJCMの方法論案(MX_PM001)が採択されている。

5. 植林に関する参考資料リスト

【参考文献】

【気象】

「Climate Change Knowledge Portal」(World Bank)

https://peerj.com/articles/9898

【政策・戦略】

「Programa Nacional Forestal 2020-2024(国家森林プログラム)」(メキシコ政府(Gobierno de México)、2019)

https://peerj.com/articles/9898

「Programa Nacional de Ordenamiento Territorial y Desarrollo Urbano 2021-2024(国土利用および都市開発に関する国家計画)」(メキシコ政府(Gobierno de México)、2021)

https://peerj.com/articles/9898

【関連法律】

「Ley General de Desarrollo Forestal Sustentable(持続的な森林開発基本法)」メキシコ政府(Gobierno de México)、2018年制定、2024年最終改正)

https://peerj.com/articles/9898

「Ley General del Equilibrio Ecológico y la Protección al Ambiente(環境保全基本法)」(メキシコ政府(Gobierno de México)、1988年制定、2024年最終改正)

https://peerj.com/articles/9898

「Ley General de Vida Silvestre(野生生物保護基本法)」(メキシコ政府(Gobierno de México)、2000年制定、2021年最終改正)

http://www.diputados.gob.mx/LeyesBiblio/pdf/146_200521.pdf

【森林・林業関連】

「El Sector Forestal Mexicano en Cifras 2020(2020年次林業部門統計資料)」(国有林野委員会(Comisión Nacional Forestal (CONAFOR))、2021)

https://peerj.com/articles/9898

【植林可能性、必要性】

「Characterization of Surface Evidence of Groundwater Flow Systems in Continental Mexico」(Alessia Kachadourian-Marras, Margarita M. Alconada-Magliano, José Joel Carrillo-Rivera, Edgar Mendoza, Felipe Herrerías-Azcue and Rodolfo Silva、2020(Water 2020, 12, 2459. MDPI))

https://peerj.com/articles/9898

【樹木・植生関連】

「Native trees of Mexico: diversity, distribution, uses and conservation」(Oswaldo Tellez, Efisio Mattana, Mauricio Diazgranados, Nicola Kühn, Elena Castillo-Lorenzo, Rafael Lira, Leobardo Montes-Leyva, Isela Rodriguez, Cesar Mateo Flores Ortiz, Michael Way, Patricia Dávila and Tiziana Ulian、2020)

https://peerj.com/articles/9898

「Ecosistemas de México – Extensión y distribución(メキシコの生態系、その広がりと分布)」(生物多様性保全および持続可能な利用に関する国家委員会(Comisión Nacional para el Conocimiento y Uso de la Biodiversidad (CONABIO))

https://peerj.com/articles/9898

「EncicloVida」(生物多様性保全および持続可能な利用に関する国家委員会 La Comisión Nacional para el Conocimiento y Uso de la Biodiversidad (CONABIO))(学名を入力することで分布地域が表示される)

https://peerj.com/articles/9898

【その他】

「平成23年度 (2011年度) CDM 植林総合推進対策事業 (途上国の情報収集・整備) 報告書」(林野庁、2012)

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/cdm/pdf/h23-houkokusho-jouhoushushu.pdf

「Evaluación de los recursos forestales mundiales 2020 – Informe – México」(FAO、2020)

https://www.fao.org/3/cb0108es/cb0108es.pdf

6. 植林に関するその他情報収集リスト

【関係組織】

【その他関連法律】

【自然環境】

  • 「The Soils of Mexico」(Pavel Krasilnikov, Ma. del Carmen Gutie´rrez-Castorena, Robert J. Ahrens, Carlos Omar Cruz-Gaistardo, Sergey Sedov, Elizabeth Solleiro-Rebolledo、2013)(World Soils Book Series. Springer) https://www.researchgate.net/publication/263162520_The_Soils_of_Mexico/link/5e6c685b458515e5557957f7/download?_tp=eyJjb250ZXh0Ijp7ImZpcnN0UGFnZSI6InB1YmxpY2F0aW9uIiwicGFnZSI6InB1YmxpY2F0aW9uIn19

【保全地域】