長根苗の乾季植栽試験の開始(2019年11月報告)
2020年03月01日
気候変動対策として、長根苗による乾季植栽ができないか
さて、今回は「長根苗であれば乾季でも植栽できるか?」ということで、最後の雨が終わった直後に1,000本程度の苗木を新たに植栽しました。
通常は雨季の初めに植栽するのがセオリーではないのか?、なぜわざわざ乾季に植栽するの?と言う声が聞こえてきそうですが、近年、ミャンマー中央乾燥地は、極端に雨季が短かい、もしくは降水量が少ない年が目立つようになってきました。また、雨季植栽に限定してしまうと、農業繁忙期等と重なり、地域住民は植林作業まで手が回らず植栽のタイミングを逃す可能性も懸念されます。ただでさえ、降水量が700㎜前後の乾燥地で、潅水等のコストもかかり植林がなかなか進まないのに、これから気候変動等の影響で更に雨が少なくなったら、お手上げ状態になってしまうので、そのブレイクスルーとして長根苗の乾季植栽を試しているところです。
ミャンマー中央乾燥地は11月から5月にかけて雨はほとんど降らず、しかもどんどん暑くなり(最高気温は約45℃!)、植栽した苗木にとっては過酷な環境に突入します。さてさて、長根苗はこの過酷な環境を数ヶ月乗り越え、無事に最初の雨季を迎えらえるでしょうか見ものです。
長根苗以外の植栽方法も試しています
長根苗なら乾季でも植栽できそうだが、長根苗の培地はココナッツピートなのでそれほど重くはないですが、
他にももっと安く植栽できる方法もあるかもしれません。
そこで、下のように、短いコンテナ苗で30㎝四方の植栽穴を掘ったものをコントロール苗として、
短いコンテナ苗+深い穴、短いコンテナ苗+深い穴+ココナッツピート、短いコンテナ苗+深い穴+深植え、
という植え方も試してみました
3つの樹種でどの植栽方法であれば、乾季を乗り越えられるか
これからモニタリングしていきます
長根苗でしか生き残れない樹種はあれば、長根苗の効果は絶大ということになります。
今回のミャンマー新発見
根鉢の長さが60㎝の長根苗を植えるには深い穴を掘削する必要があります。当初はマニュアル掘削機(土壌調査用オーガー)を数本用意すれば何とかなるだろうと思っていたのですが、土が硬くて、作業する村人も疲労困憊で作業スピードはみるみる遅くなっていく。。このままでは私がミャンマーに滞在中に植栽が終わらないかもと心配していると、専属運転手(スズキ軽トラ)のウェンボーが「中国製のエンジン掘削機でやってみたら」と言うので、半信半疑で購入(役に立たなかったら自腹覚悟)することに。ミャンマーではエンジン掘削機は柵や電柱等の杭を土中に埋めるために使われるとか。これが意外とサクサク掘れ、掘削作業は順調に進みました。何より驚きなのは、このエンジン掘削機が1万円弱で買えたこと。しかも電話1本でアマゾン並みの翌日配送。シンプルな構造なので少しエンジンをいじったことがある人なら故障も直せます。もしお近くで安く手に入ればお勧めです。
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