記事紹介:現地から

HOME>記事紹介:現地から>不揃いな植林地の炭素吸収量の推定方法の検討

不揃いな植林地の炭素吸収量の推定方法の検討

2022年03月09日

キーワード

クリーン開発メカニズム(CDM)、CO2吸収量、推定精度、不確実性、階層化

どんな記事?

一般企業によるCSR植林活動は多くの実施例があります。最近、私企業においても二酸化炭素(CO2)排出削減への取組みが求められる状況となり、かつてCSR植林した森林によるCO2吸収量を評価したいという問い合わせがあります。正式なCDM植林は計画段階で申請し、国連のCDM理事会で承認をうける必要がありますが、企業の自主的な取組みとしてとして植林した森林の吸収量を評価するというものです。

木材の成長量からCO2の吸収量を求める方法は気候変動枠組み条約事務局で定められた方法があります。単一樹種を同時に植えた場合の森林のCO2吸収量は比較的簡単に算定ですが、多様な樹種が植栽されていたり、生育に差があったりすると、難しくなります。国際緑化推進センターの森と仲摩は、インドネシア南カリマンタン州にセイコーエプソン株式会社が4年にわたって植林した300haの植林地の炭素吸収量を評価しました。植栽樹種はマホガニーを主体とし、ゴムノキや果樹類など様々です。また、火災にあった部分や生育不良な個所もありました。調査プロット数を増やせば増やすほど推定精度は向上しますが、時間と労力、経費がかかります。そこで森林の状態を区分し(階層化)、事前の予備調査から許容できる誤差に基づいて必要な調査プロット数や面積を求め、調査経費も考慮し最適な調査方法を決定しました。この報告では調査の具体的な手順、その精度、現場で生じた具体的事例を紹介し、モニタリング時に考慮すべき点などを解説しています。

最近では森林の炭素吸収量の測定にドローンを使う試みもなされています。現地の条件によっては現場作業の軽減に役立つでしょう。ただし、基礎的なデータは現地の実測が欠かせません。森林のバイオマスや成長を正確にかつ効率よく測定する方法はこれからも開発が続くでしょう。

紹介記事

CDM植林プロジェクトの炭素吸収量モニタリング方法について ―インドネシア‘エプソン環境と友好の森’における事例―.
森徳典・仲摩栄一郎(2010)海外の森林と林業 77: 54-61

新着記事