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林業的防除法

林業的防除法は、耕種的防除法ともいわれ、次の点に留意する。

  1. 常時監視を怠らず、早期発見・早期駆除を念頭に置き対応する。
  2. 生物相を複雑にするため異齢多樹種にする。ただし、病気も含め中間寄生の植栽は避ける。この逆の同齢単一樹種の林は虫害が発生しやすい傾向がある。
  3. 枯死木には、穿孔性害虫が繁殖している可能性が高いので、他樹に移らないうちに焼却するか薬剤散布する。風倒木や山火事火傷木についても同様に早期に処理する。
  4. 乾燥害などで衰弱し穿孔虫被害を受けそうな樹木には灌水し樹勢を回復させる。
  5. 枯木や衰弱木を伐採整理する衛生伐は穿孔虫被害の防止法として実行されることがある。
  6. 植栽樹種は虫害の少ない樹種あるいは品種を選定する。一般に郷土樹種は導入樹種より抵抗が強く、またその土地に適した樹種は強健に生育し、害虫も比較的少なく、虫害に対して抵抗力があり、かりに食害されても補償能力が強い。
  7. 適当な剪定や枝打ちは樹木の成長に及ぼす影響だけでなく、通風をよくし、また陽光の入射を良好にし、カイガラムシ類やアブラムシ類の被害を回避することができる。除・間伐も同様の効果が得られる。穿孔性害虫の加害対象になる被圧衰弱木を除去し、被圧木の発生を防止できる。

参考文献

  • 野淵輝 (1995) 熱帯の森林害虫. 熱帯林造成技術テキストNo.7. 国際緑化推進センター.