山引き苗

山引き苗とは

苗木の需要があっても、種子の採取や入手が難しい場合、林内などに発生・生育している稚樹を山から引いてきて苗木として利用することが多く、これを山引き苗と呼ぶ。天然林・人工林等、どこから山引きしてもよいが、母樹を最初から決めておいて、その樹冠下を伐開整理して天然下種更新した幼樹を山引きするのも一つの方法である(山手, 1993)。

山引きの方法

山引を行う具体的な方法は次の通りである。

  1. あまり大きい苗を採取しないこと。苗高は40cm程度までにとどめる。
  2. できるだけ日当たりの良い場所で山引きすること。
  3. 根を損傷させないように山引きすること。手で引き抜かず、必ずスコップや移植ゴテを使用して掘り取る。
  4. 雨上がりに山引きすること。土が柔らかくなっていて、細根に若干付着する。
  5. 山引き後は乾燥させないこと。根に土がついていない苗を一度乾かすと活着が難しい。
  6. 蒸散を抑制するため葉をある程度むしり取るか、大苗では主幹を1/2程度に断幹して移植してもよい(山手, 1993)。

山引き苗のポットへの移植

山引き苗は、そのまま造林しても活着しにくいので、たいていは一旦苗畑に搬入して、ポットに移植して順化してから植栽に用いるのが普通である。林内などに更新した稚樹は、普通露地よりは弱い光環境下で育っていることが多いから、苗畑に移した後しばらくは日覆をかけること。山出し前には硬化処理が必要なので、順化には少なくとも数ヶ月を要する(浅川, 1992)。

参考文献

  1. 浅川澄彦 (1992) 熱帯の造林技術. 熱帯林造成技術テキスト No.1. 国際緑化推進センター.
  2. 山手広太 (1993) 熱帯地域における育苗の実務. 熱帯林造成技術テキスト No.3. 国際緑化推進センター.