森林再生テクニカルノート(TPPs)は、途上国の劣化が進んだ森林や開発後に放棄され荒廃した土地等において、効果的な森林の再生に大きく貢献する技術集です。
苗木の需要があっても、種子の採取や入手が難しい場合、林内などに発生・生育している稚樹を山から引いてきて苗木として利用することが多く、これを山引き苗と呼ぶ。天然林・人工林等、どこから山引きしてもよいが、母樹を最初から決めておいて、その樹冠下を伐開整理して天然下種更新した幼樹を山引きするのも一つの方法である(山手, 1993)。
山引を行う具体的な方法は次の通りである。
山引き苗は、そのまま造林しても活着しにくいので、たいていは一旦苗畑に搬入して、ポットに移植して順化してから植栽に用いるのが普通である。林内などに更新した稚樹は、普通露地よりは弱い光環境下で育っていることが多いから、苗畑に移した後しばらくは日覆をかけること。山出し前には硬化処理が必要なので、順化には少なくとも数ヶ月を要する(浅川, 1992)。