地域住民への配慮

近年、社会林業という言葉が広く使われるようになり、地域住民のための林業・造林という視点が強調されるようになった。我が国が技術協力を始めた頃は、いわゆる大規模造林が中心で、比較的最近まで大規模で組織的な造林が主流であったが、そのような方法だけでは必ずしも良い成果が得られないことがわかってきた。

地域住民の協力を得なければ造林の成功は望めず、造成された森林の保護・保育にも彼らの協力が必要である。そのためには、彼らにとっての直接的なメリットを考えることが重要で、ウッドロット(wood lot)の造成や、筋植え方式による樹木と農作物の栽培(alley-cropping)などが行われるようになってきた。造林の基本的技術は同じであるが、地域住民のための造林では、彼らが好む樹種を取り入れ、また彼らに普及できるような技術によって森づくりをしなければならない。

地域住民への説明会