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森林再生テクニカルノート（TPPs）は、途上国の劣化が進んだ森林や開発後に放棄され荒廃した土地等において、効果的な森林の再生に大きく貢献する技術集です。
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Technical Note for Tree Planting Practices 森林再生テクニカルノート
海外植林活動のための技術データベース
スタンプ苗
スタンプ苗とは
普通の苗床で育てて、適切な大きさになった苗木を掘り上げ、被陰条件下で地上部及び根を切り詰めて長さ20～25cmにした裸根苗をスタンプ苗とよぶ。スタンプ苗の地上部は2、3個の芽を残すようにして約5cmに切り詰め、地下部も主根を切り詰め15～20cmとし、側根もそぎ落とす。スタンプ苗として適切なサイズは、根元直径が1～2.5cmとされている。
代表的なスタンプ苗：チークの例
最もよく知られている例はチーク（Tectona grandis）である。タイでは、乾季の後半の2～4月にかけて苗木を掘り上げてスタンプ苗とし、地面を掘り下げた1種の土室あるいはコンクリート槽に砂に埋めて格納し、塩ビパイプなどの空気抜きを立てて、簡単な屋根を付けて植栽時期まで数ヶ月も貯蔵する。このようにして、調整・貯蔵されたスタンプ苗は、雨季に入って間もなく掘り出され植栽されるが、苗畑から掘り上げてすぐに植栽された場合よりもかえって活着がよいといわれている。
スタンプ苗の利点
スタンプ苗は、わが国では馴染みのない苗木の携帯であるが、育成も容易であり、何よりも取り扱い・持ち運びが容易なので、適用できる樹種はできるだけスタンプ苗による方がよい。
スタンプ苗の注意点
スタンプ苗の育苗面積は裸根苗の場合と同じで、ポット苗の場合よりは大きくなる。また、半乾燥地のように降雨が不規則な地域で、運悪く降雨の間隔があまり長くなることがあると、活着率が著しく低下することがある。つまり、降雨が不規則な地域では、植栽時期の判断が成否を分ける。
スタンプ苗を適用できる樹種
これまでにスタンプ苗が適用できるとされている樹種は以下の通りで、雨緑林に分布するものが多い（浅川, 1992）。
| アオギリ科 | Triplochiton scleroxylon（浅川, 1992） |
|---|---|
| アカネ科 | Haldina cordifolia（浅川, 1992）、Nauclea diderrichii（浅川, 1992） |
| ウルシ科 | Anacardium occidentale（浅川, 1992）、Spondias pinnata（浅川, 1992） |
| キワタ科 | Bombax ceiba（浅川, 1992）、Ceiba pentandra（浅川, 1992、山手, 1993）、Pachira quinate（浅川, 1992） |
| キョウチクトウ科 | Alstonia spp. （浅川, 1992） |
| クマツヅラ科 | Gmelina arborea（浅川, 1992、山手, 1993）、Tectona grandis（浅川, 1992） |
| クロウメモドキ科 | Maesopsis eminii（浅川, 1992） |
| クワ科 | Milicia excelsa（浅川, 1992） |
| シクンシ科 | Terminalia spp. （浅川, 1992）、Conocarpus lancifolius（浅川, 1992） |
| センダン科 | Azadirachta indica（浅川, 1992）、Cedrela spp. （浅川, 1992）、Khaya spp. （浅川, 1992、山手, 1993）、Lovoa spp. （浅川, 1992）、Swietenia macrophylla（山手, 1993）、Toona ciliata（浅川, 1992） |
| トウダイグサ科 | Bischofia javanica（浅川, 1992） |
| ノウゼンカズラ科 | Tabebuia rosea（浅川, 1992） |
| フタバガキ科 | Hopea odorata（浅川, 1992）、Shorea roxburghii（浅川, 1992）、Vatica odorata（浅川, 1992） |
| フトモモ科 | Melaleuca leucadendra（山手, 1993） |
| マメ科 | Acacia spp. （浅川, 1992、山手, 1993）、Albizia lebbeck（浅川, 1992）、Cassia spp. （浅川, 1992、山手, 1993）、Dalbergia spp. （浅川, 1992、山手, 1993）、Delonix regia（浅川, 1992）、Enterolobium cyclocarpum（山手, 1993）、Erythrina spp. （浅川, 1992）、Falcataria moluccana（浅川, 1992、山手, 1993）、Gliricidia sepium（浅川, 1992）、Leucaena leucocephala（浅川, 1992）、Parkia biglobosa（山手, 1993）、Pterocarpus spp. （浅川, 1992、山手, 1993）、Xylia spp. （浅川, 1992） |
| ミソハギ科 | Lagerstroemia speciose（浅川, 1992） |
| ムラサキ科 | Cordia alliodora（浅川, 1992） |
参考文献
- 浅川澄彦 (1992) 熱帯の造林技術. 熱帯林造成技術テキスト No.1. 国際緑化推進センター.