森林再生テクニカルノート(TPPs)は、途上国の劣化が進んだ森林や開発後に放棄され荒廃した土地等において、効果的な森林の再生に大きく貢献する技術集です。
植林地を火災被害から守るために、草等の可燃物の取り扱いは非常に重要である。乾季の初めに、植林地に人為的に火入れを行うことにより、草等の地表の可燃物を焼却除去することで、山火事のリスクを低減することができる(Huong 2007)。
ただし、火を使うことに対して抵抗、否定的な見解もある(Montiel and Kraus 2010)。対象可燃物、地形、気象条件、風向き及び火の進行方向等を考慮して、適切な先行火入れ技術を用いるべきである(ISU 2012、TDA 2002)。
先行火入れの方法として、全面火入れと列状火入れが挙げられる(Huong 2007)。
植林地の全面に管理火入れを行う方式。
植栽列間(3m幅)のみに管理火入れを行う方式。草等の可燃物を列間に集めて、燃やし易くするとともに、植林木への悪影響を減らす。
インドネシアの南スマトラ州の産業植林地において、下刈・乾燥させた地表植生を人為的に焼く先行火入れの実験が行われた。その結果、先行火入れは堆積有機物量の85~90%を軽減し、山火事の浸入及び浸入した際の被害を軽減することが確かめられた(Saharjo 1999)。